Thu, November 23, 2017

DeNA参戦で「無料通話アプリ」市場が活況――通販での活用は?

スマートフォン向けの無料通話サービスが活況を呈している。10月23日、ディー・エヌ・エー(DeNA)がスマホ向け無料通話・チャットアプリ「comm(コム)」を日本や欧米、アジアなど世界204の地域で配信。配信初日には米アップル社の「アップストア」で国内総合ランキング1位になるなど好調なスタートを切った。同様のサービスでは、NHN Japanの「LINE」や「カカオトーク」が有名。先日はヤフーが「カカオトーク」を運営するカカオジャパンと資本業務提携を発表するなど、ここにきて一段と同市場が動き始めた印象だ。先行する2社は企業向けのサービスも展開しており、参加各社が販促に活用している。今後、通販事業者の利用が本格化する可能性もあり、「ビッダーズ」を運営するDeNAの参入は注目を集めそうだ。

これら無料通話アプリは、スマートフォン全盛の今、さらに利用が高まることが予想できるため、通販における魅力的な売り場として機能する可能性がある。すでにイマージュなど積極的に活用する企業も出始めており、来年のネット販売業界のトレンドとなるかもしれない。

「LINE」でテストマーケティング

現在、スマートフォン向け無料通話アプリでもっとも有望視されているのがNHN Japanの「LINE」だ。国内における登録ユーザー数は10月25日時点で3200万人。世界規模では7000万人を超えている。

同社は9月から、「LINE」登録ユーザーを対象に「LINEシークレットセール」を開始。自社オリジナル商品や通販企業の先行商品など「ここでしか買えない商品」(NHN Japan)を販売している。売れ行きは上々で、第1弾の「オリジナルぬいぐるみ」は開始2分で完売した。以降も、イマージュやセシルマクビー、千趣会子会社のモバコレの商品を紹介するなど、11月中旬までに週に1度のペースで7回のセールを実施している。

「LINEシークレットセール」は現在のところ、大きな売り上げを期待するというよりもマーケティングツール的な要素が強い。ここで商材をテストして結果を分析し、他のチャネルで本格展開する、といった使い方が効果的のようだ。

「Yahoo! ショッピング」と連携?

「LINE」にヤフーと組んで対抗するのがカカオジャパンの「カカオトーク」だ。同アプリは2012年9月末時点で、全世界で約6500万人が登録。「LINE」同様に企業や有名人の利用も可能で、アカウントを登録したユーザーに対して企業などがメッセージを送れる仕組みも持っている。

ヤフーとのサービスの共同展開については「今後協議していく」(カカオジャパン)段階だが、「カカオトーク」と「Yahoo! ショッピング」などのコマース関連サービスとの連携もあり得るとしており、通販事業者が活用できる可能性は高そうだ。

「comm」は「ビッダーズ」と連携

先行するこれら2社を追撃する立場なのがDeNAの「コム」。現在は個人ユーザー同士の利用がメーンだが、将来的には「ビッダーズ」や「モバゲー」などとの連携を予定。詳細は未定だが、例えば「単純にリンクを貼るだけでもそれなりの集客が期待できる」(DeNA)としており、これまで「ビッダーズ」などではリーチできなかった新規ユーザーを開拓する狙いがある。つまり、人気を集めやすい無料通話アプリで大きくユーザーを獲得し、そこから「ビッダーズ」や「モバゲー」などのサービスに誘導する戦略だ。

同アプリは2013年上期までに1000万ダウンロードが目標。集客の一環として、今月14日には、16日から放映予定のCMの発表会を開催。CMに出演する女優の吉高由里子さんを招いて大々的に「コム」をアピールした。

「コム」「ビッダーズ」との連携以外、コマース関連の構想は明らかになっていないが、「LINE」や「カカオトーク」と異なり、もともと自前で「ビッダーズ」という通販プラットフォームを保有しているだけに、通販ノウハウでは先行する2社よりアドバンテージがあることは確か。先行2社同様、注目を集める存在になりそうだ。

「コム」の参戦、ヤフーとカカオジャパンの連携など、にわかに活気づいてきたスマートフォンの無料通話サービス市場。通販利用の観点からも注視しておくべきだろう。

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