Thu, November 23, 2017

リクルートが「ポンパレモール」を開設 ――最後発仮想モールの行方は

リクルートホールディングスグループのリクルートライフスタイルは2013年3月15日、仮想モール「ポンパレモール」を開設した。ファッションや食品、日用品など様々なジャンルを取り扱い、既存の大手モールと同様に各種大型キャンペーンやポイント施策も展開している。

しかし、現在の仮想モール市場はすでに大手による寡占化が進み、後発組にとっては参入のハードルが非常に高い状況。モールそのものの知名度や品揃え、集客力で後塵を拝する同社が対抗していくには、「じゃらん」や「ホットペッパー」など既存事業にぶら下がる数千万規模の会員をいかにして「ポンパレモール」へと誘導していくかがカギとなりそうだ。

「ポンパレモール」の今後はいかに。

ポイント償還の受け皿と

3月15日にオープンした「ポンパレモール」

して開設

「ポンパレモール」ではファッション、食品、スイーツ、日用雑貨、キッチン用品、美容・コスメ、インテリア、スポーツ・アウトドア、家電など16ジャンルの商品を取り扱っている。仮想モールを選択した理由としては品揃えを挙げており、自社だけで商材を集めていくことには限界があると考えていた。

出店費用は、基本出店料金の月額2万9800円と売り上げの2.5%。商品配送料については各店舗の判断に任せている。

同社は以前から「じゃらんnet」「ホットペッパービューティ」「ホットペッパーグルメ」「赤すぐnet」といったサービスを展開している。「じゃらんnet」の年間宿泊旅行者泊数(人泊数)は約6000万件、「ホットペッパー」の年間利用者数は約4000万人となっており、それらの利用者が各サービスで貯めたポイントを日々の買い物でも利用できるための受け皿として今回の仮想モールを開設したという。

「一般的に飲食店は年に10回程度、美容院は1.5カ月に1回程度、旅行は年2回程度の利用頻度と言われている。そのため、日用品やファッションの購入など日常で利用できるサービスが欲しいという声は多かった」(牛田圭一ネットビジネス推進室シニアマネジャー)と説明。より利用頻度の高い日常生活系のサービスを提供して、会員の満足度を上げることが開設の理由だとしている。
同社はあくまでも他のモールと取り扱い金額などで競争することは念頭に置いていない構えだが、出店者からの「ポンパレモール」に対する期待値は非常に高いものとなっている。開設に当たり同社が出店者に実施したヒアリングでは「会員の属性に対して、商品を販売できるのは望ましい」「今の仮想モールで売り上げを伸ばそうとすると、広告宣伝費がかかり費用対効果が合わない」といった現状の課題や閉塞感を吐露する声が多く寄せられた。

「これが、3~4年くらい前であれば出店者も既存の仮想モールでどんどん売り上げを伸ばしていた状況なので、新規の仮想モールに参画しようという気持ちにはなれなかったかもしれない。そういった背景があるのならば、当社が入っていく余地も多少あるのではないかと感じる」(同)とする。

会員データを有効活用

同社は「ポンパレモール」稼動から1、2カ月間で蓄積された消費者の利用データをもとに、モール内での商品の並び順や効率的なメール配信を行っていくことを考えている。既存のビジネスで大量の会員を保有する同社にとって、顧客データベースの活用は最も得意とするところだ。

元々、グループ内にデータマイニング専門のチームがあり、そこでアルゴリズムの作成やデータ解析などを行っている。すでにクーポン共同購入サイトの「ポンパレ」や「じゃらん」で、メールの内容をセグメントしてユーザーに配信することを実施し、過去にある特定のユーザーのメール開封率が2倍になった事例もあったという。

「消費者にメールが大量に届いて“ウザい”と思われるのはあまりいい状態ではない。以前からこの問題に取り組んでいたので、配信の頻度や見せ方などの最適な結果はすでに出始めている」(同)と説明した。開設記念キャンペーンを実施同モールではすべての商品でポイントが使えるようになっており、購入の際にも商品代金の3%のポイントが付与される。

オープニングキャンペーンでは利用エントリーした先着1万人を対象に50%超のポイント付与企画も実施。3月18日~ 20日までエントリーを受け付け、ポイント負担は同社が47%で、出店者は3~ 10%の間で負担分を設定した。さらに、一部商品について送料無料や母の日キャンペーンなどの特集企画も開催している。そのほかにも今後は他の仮想モールと同様、ジャンルごとの優秀な店舗を毎月表彰する制度も設けていく予定だ。

多くの競合がひしめく既存の巨大仮想モールの中で、価格競争や広告枠争いなどに巻き込まれ自社の魅力を十分に発揮できないまま埋没してしまう出店者は数多い。顧客と向き合ってじっくり販売活動に専念できる環境を望む声は高まっている。

果たして「ポンパレモール」は出店者のそうしたニーズを汲み取ることができるのか、今後の動きが注目されそうだ。

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