Sat, December 16, 2017

スタートトゥデイ、スマホアプリの新サービスで再び中国・韓国で挑戦?

「日本では8~9月にやる予定。できれば中国や韓国でも展開し、“再チャレンジ”したい。“上海ガニ”や“マッコリ”を楽しみにしています」――。7月11日に千葉・幕張で開催された「アジア通販サミット」でスタートトゥデイの前澤友作社長が「スタートトゥデイがやめた10のコト」と題した講演(=下部に講演の内容の一部を掲載)し、同社が近々、スタートを予告していた新サービス「WEAR(ウエア)」について、その中でこれまで明らかにされていなかったサービス開始の時期に言及。また、日本のみならず、中国や韓国でのサービス展開を示唆した。

ショップの理解は得られた?

「WEAR」は、スタートトゥデイの主力事業であり日本最大級のファッションECサイト「『ZOZOTOWN』に続く第2弾の新しい事業になり得る価値を持ったサービス」(前澤社長)とする同社が総力を挙げて注力するサービスだ。
現状、同サービスの詳細は不明だが、6月上旬に専用サイト上でコンセプトムービーを公開。それによるとスマートフォンアプリを活用してアパレルショップなどの店頭で服のタグについているバーコードを読み取り、店頭で気になった服について、その情報を友人とSNSで共有したり、通販で後ほど購入できるサービスであるものらしく、店舗展開するアパレル事業者などと連携して、実店舗を言わば、「ショールーム」のように活用するもののようだ。
そのため、ややもすると顧客を奪われかねないと危惧を抱く実店舗もあるようで、関係筋によると「店舗の了解が不可欠のサービスだが、その了解を得るには思ったよりも時間がかかるのではないか」とされていた中、今回の前澤社長の講演で「WEAR」のスタート時期について言及があり、すでに一定数のショップから「WEAR」への協力を取り付けたのか、などという観点からも注目が集まった。

もう一度、上海ガニとマッコリを

さらに、中国や韓国でも「WEAR」の展開を示唆。同社では2011年に中国および韓国でEC事業を開始するも、日本のブランド認知不足や、価格設定の失敗などを理由に、それぞれ2年足らずで撤退しており、「中国では上海で食べた上海ガニが大変、おいしかったこと。韓国の思い出は(事業パートナーだった)イーベイの幹部の皆さんにマッコリをたくさん飲まされたこと。そんな思い出しか残っておりません(笑)」と今回の講演でも敗戦の弁を述べていた。
両国でのリベンジを図るため、「『WEAR』はできれば中国や韓国でもやりたいなと思っています。『ZOZOTOWN』では中国・韓国とも撤退という残念な結果となったが、この『WEAR』ではぜひ再チャレンジをさせて頂きたい。また、上海ガニ、マッコリを楽しみにしています」(前澤社長)とした。

前澤友作が語る スタートトゥデイがやめた10のコト
リスティング広告は意味なし、テレビCMもやめた

スタートトゥデイの前澤友作社長が7月11日開催の「アジア通販サミット2013」で「スタートトゥデイがやめた10のコト」と題して、講演を行った。同講演の内容について一部を抜粋して紹介する。

やめたコトの1つ目は「各種広告」。我々も近年までリスティング広告とテレビCMに力を入れており、両方で(ゾゾタウンの)年間取扱高の3~5%をかけていたが去年、すべてやめました。だんだんと費用対効果が悪くなってきた感じがあって、「1回全部、やめてみよう。そうしたらどう変わるのか、1カ月くらい(広告出稿を)やめてみよう」ということでとめたら、何も変わらないと。リスティング広告は現在の我々にはまったく意味のない広告だということです。テレビCMも同様でかなり派手にやっていた09年当初は「ゾゾタウン」の認知度向上という意味で貢献したがやり続けていると効果は薄れてきます。現状、若い方からの認知度は80~90%程度あるわけで、これくらいになるとテレビCMで大きな効果は期待できないということでテレビCMもやめました。

2つ目は「ポイントキャンペーン」。100ポイントあげるから何か買ってよ、というポイントのばらまきをやめた。100ポイントもらえば、100円の靴下をその時には買うが、継続的なリピーターにはならないことが分かってきたからです。ポイントキャンペーンは今年からまったくやってません。

3つ目は「番組提供」。「美少女ヌードル」というラーメンを食べる美少女がゾゾタウンで売っているファッショナブルな洋服を着て出てくる番組の提供をやっていました。番組を持つのは非常にお金がかかりそれなりの効果を期待したが、残念ながらほぼ効果はありませんでした。

4つ目は「カタログ販売」。商品を購入頂いたお客様の段ボールの中に、一緒にカタログを入れて、ほかの商品も買って頂こうとやってみたが、反応がなかったです。時には50万部くらい配布するなど結構なお金をかけましたが効果がありませんでした。カタログ販売事業者みなさん、今度、勉強させてください。

5つ目は「ポイント還元率を従来の1%から10%まで引き上げ」です。ポイント還元率はずっと1%だったが、10%まで一気に引き上げてみました。例えば1万円分、購入頂いたお客様には、今まで付与ポイントが100ポイントだったのが1000ポイントになるという大胆なことを去年の11月からやったが、3カ月でやめてしまった。特にファッションに関しては安ければいいというわけではないと。かっこいいサイトによい商品がたくさん揃っていて注文するとすぐ届くというECサイトとして大切なところをやっていくことがやはり重要なんだなと実感しました。

6つめは「システムの外注」。現在、我々はすべてのシステム、すべてのデザインは内政化で作っているが、一時、外注していたことがある。外注していると融通が利かない。何か変更しようと思っても都度、時間もお金もかかっています。システムもデザインも物流もカスタマーサポートもすべて自社でやるべきだと私は思います。自分たちで売っている商品は自分たちが丁寧に包んで、配送する方がいい。気持ちが入るわけですね。その気持ちが他社との差別化になったり、優位性になったりすると思います。

7つ目は「広告販売事業」。かつては「ゾゾタウン」の中に広告枠を作って、大きな企業から結構、広告を出稿頂いていたのですが(他社の)広告を出すくらいだったら、自分たちの商品を売ろうということでやめました。

8つ目にやめたことは「中国・韓国事業」。2011年から中国はタオバオと韓国はイーベイとやっていましたが、やめた。中国は日本のブランドの認知度があまりなかったこと。また、日本のブランドさんがあまり中国進出に積極的ではなかった。当社ばかり積極的でブランドさんはあまりついてきて下さらなかった。ソフトバンクさんとジョイントベンチャーまで作って始めたが2年足らずで撤退してしまいました。中国の思い出は上海で食べた上海ガニが大変、おいしかったくらいしか残っておりません。韓国も同じく日本のブランドの認知度が低い。そして現地の方の価格感の部分が合わなかったということもあり、うまくいきませんでした。これも2年足らずで撤退ということになった。韓国の思い出と言えば、イーベイの幹部の皆さんにたくさんのマッコリを飲まされた、そんな思い出しか残っておりません。

9つ目は「残業」。我々は昨年5月から全従業員を対象に1日の労働時間を従来の8時間から6時間にしました。常々、「残業を減らす」というメッセージは言ってきたのですが減らないので、「じゃあ、6時間で帰ろうぜ」と言ったら、とたんにみんな帰るようになりました。お昼も食べずに小走りで急いで効率的に仕事をする。去年の10~12月の労働生産性を出してみたら前年に比べて25%も労働生産性が上がった。6時間で帰れるとなると今までの無駄を見つめ直し効率的に働くというパラダイムシフトが起きるんですね。

最後に「成果報酬」。我々は03年からこの成果報酬制というのをやめました。全従業員のボーナスは一律。また、役職給はつくが基本給も一律。これによって社員同士で競争しなくなりました。よい競争ならばいいが、悪い競争も結構、あると思うわけです。相手より何とかたくさん稼いでやるぞとなっていくとやはり社内が荒んでくるわけです。成績があがらない同僚の背中を押してやったりとか、手を引っ張ってやったりとか、そういう社内文化を僕は形成したいと思っているため、成果報酬はやめました。

以上、「スタートトゥデイがやめた10のコト」です。これが皆さんの何かの参考になればうれしいなと思います。

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