スタートトゥデイの「ウェア」が始動――スキャン機能”解禁”で大型販促

渋谷ではパルコの外観だけでなく(パルコのマークもバーコード柄に変身)、建物周辺の道路も「ウェア」のフラッ グがジャックした

パルコ4店が試験導入

スタートトゥデイは11月8日、ファッション特化型のメディアサービス「WEAR(ウェア)」のバーコードスキャン機能を解禁し、約100ブランドで利用できるようになった。スキャン機能に対応したのは、「ビームス原宿店」や「ユナイテッドアローズ原宿本店」「アーバンリサーチストア心斎橋店」などブランドの一部路面店と、パルコの4店舗(渋谷、池袋、名古屋、千葉)に出店する「ウェア」参加ショップの約140店と限定的なスタートとなった。

新サービスを巡っては、「施設内撮影禁止」の方針を掲げるルミネや、百貨店などが反発したが、パルコが解禁日当日から2014年4月末までの約半年間、「ウェア」の試験導入を決めたことから、スタートトゥデイではこれを契機に他の大型商業施設にも導入が進むことを期待している。

試験導入を決めたパルコは、「24時間パルコ」をテーマにオムニチャネルの取り組みに積極的で、他の大型商業施設に先駆けて「ウェア」の利用状況を把握することは、マイナス面ばかりではないと判断したようだ。

また、パルコの「ウェア」参加ショップでスキャンした商品を消費者が購入した場合、スタートトゥデイからパルコに手数料を支払う仕組みを採用していることも導入の決断を後押ししたと見られる。

一方、「ウェア」に参加表明したある大手アパレルでは、当面は路面店とパルコ店舗でスキャンに対応するものの、「自分たちから『ウェア』の普及に向けて他の商業施設にお願いすることはない」とし、路面店以外への導入はあくまでデベロッパー側の判断に従う考えで、概ね他のアパレル企業も同様の対応をとるもようだ。

渋谷は「ウェア」一色に

スタートトゥデイは、スキャン解禁日からパルコ4店で「あたらしい買い物体験実験中」と題した大型プロモーションを展開。各館の外観や内観装飾を「ウェア」の特別仕様にする大規模な広告展開や、「ウェア」アプリのダウンロード体験ブースの設置、イベントスペースでのノベルティー配布に加え、「ウェア」参加ショップでは同サービスを分かりやすく説明したフライヤーを配布するほか、パルコ渋谷店の周辺道路は「ウェア」のフラッグでジャックした。

各種メディアでの露出や大型プロモーションの実施により、渋谷パルコでは、さっそく新サービス「ウェア」のスキャン機能を試す姿も散見されたが、スタートトゥデイでは、「ウェア」専用アプリのダウンロード数について2014年3月末までにファッション通販サイト「ゾゾタウン」のユニークユーザー数を上回る500万件という大きな目標を掲げており、これの達成に向けて一般ユーザーとアパレルショップの双方に活用を促していく。

ショップの無料登録も開始

服の買い手である一般ユーザーに向けた「ウェア」の利用促進策としては、まずは“ファッション好き”が集まる「ゾゾタウン」の顧客をターゲットにする。

「ウェア」にはバーコードスキャン機能だけでなく、自分が持っている服をアプリ上で管理できる“マイクローゼット機能”を搭載しているため、「ゾゾタウン」でアイテムを購入した際には、当該商品を「ウェア」のクローゼットに登録するよう促すなどの取り組みを行う。

一方のブランド、ショップ側の囲い込みに向けては、サービス開始に先駆けて10月28日から全国のアパレルショップを対象とした事前登録の無料受け付けをスタート。「ゾゾタウン」出店の有無にかかわらず、店舗情報や取り扱いブランドの情報登録、販売員のコーデ画像を「ウェア」上に投稿できるようにした。

11月下旬には、各ショップで扱うアイテム情報も登録できるようになるため、消費者が(許可を得た)店頭でバーコードスキャン機能を利用することも可能だ。将来的には各ショップが運営する通販サイトへの連携も視野にあるという。

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