2013年のEC市場を振り返る~年間のEC業界の10大(重大)ニュースは?~

  • 2013年12月15日
  • 2020年8月26日
  • 特集1

2013年のEC市場では、仮想モールに関する大きなニュースが相次いだ。「ポンパレモール」の開設やLINEの仮想モール参入といった新規事業者の参画、衝撃的だったヤフー!ショッピングの無料化、そして11月の「日本一セール」で問題となった楽天市場における「不当な二重価格問題」――。今回の特集では、2013年の業界10大(重大)ニュースを本誌編集部が独断と偏見で選んだ。今後の業界に与える影響が大きいと考えられるものを上位に選択している。2013年のニュースを振り返ることで、激動が予想される2014年の変化に対応しよう。

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問題となった楽天市場の「日本一セール」

1位 楽天市場で「不当な二重価格」発覚

1位には楽天市場の「日本一セール」で問題となった二重価格問題を選んだ。

イーグルス・星野仙一監督の背番号にちなんだ「77%割引商品」を目玉とした同セール。騒動のきっかけは、ある出店者がシュークリーム10個セットを「77%オフ」として販売する際に、商品卸元での値付けよりも9000円以上高い値段を「通常価格」と表記したのが発覚したこと。同様に「通常価格の釣り上げ」が疑われるケースが次々に判明したこともあり、ネット上で炎上。大手マスコミでの報道につながり、楽天が記者会見を開く事態に至った。

楽天では、審査を経ないで不当な価格表示をしていたのが17店舗、大きく報じられたシュークリームなど3店舗については「新規登録された商品で過去の比較できる元値がなかった場合や、 以前からその元値が表示されており、元値の不当な引き上げとセール前の審査で認定できなかった事例」(楽天市場事業PR推進グループ)と説明。ただ、不当表示を疑われる事例はこれ以外にもあり、日本一セール時に「売れている」と一部メディアで話題になった「みかん5キロセット」が不当な二重価格ではないかとして、レビュー欄に不満の書き込みが殺到する事態も起きている。

こうした問題は今回のセールに始まったものではなく、以前の「楽天スーパーSALE」のほか、通常時にも存在していたもので、ネットでも不満の声が見受けられた。楽天では店舗への注意喚起はしていたものの、値付けは基本的には店舗に任せていたという。今回の事態を
受けて抜本的な対策に乗り出している。

まず来春をめどに「当店通常価格」の妥当性をシステム的にチェックする機能の導入を予定。「比較対照」として使える表記を指定した上で、システム的に販売実績を確認したり、メーカーが制作しているウェブページなどで価格を確認したりするフローを構築する。

消費者の二重価格表示への反応は敏感になっており、出店者も価格表示の修正を始めた。機能していないとみられる「通常価格」を使用していた多くの有力店舗でも「消費者の誤解を招く」(ある店舗の関係者)などとして、軒並み二重価格そのものをやめている。

寸評:やり玉に挙がった楽天市場だが、他モールにも存在する普遍的な問題。事業者の意識改革は必須だ。

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