NTTぷらら、スマホ向けeカタログ型モール開始――好みの電子カタログでECを

インターネット接続事業を行うNTTぷららは12月19日、スマートフォン用通販アプリで電子カタログ型仮想モールを開始した。出店者(通販実施事業者)は電子通販カタログを作成、ユーザーはそれら電子カタログを自由に閲覧・ダウンロードし、掲載商品をネット販売で購入できる仕組み。出店や電子カタログ作成は無料とするが、ぷららは出店者から売り上げの数%を手数料として徴収する。今春までに100社超の出店者数を見込む。同社では光回線を使用したテレビ向け映像配信サービス「ひかりTV」で通販サービスを展開中だが伸び悩んでいる。スマホを軸とした新サービスで通販事業拡大を図る考え。
「かたろぐマーケット」をオープン
同社が開始した「かたろぐマーケット」はスマートフォンおよびスマートタブレット向けの通販アプリ。通販実施企業の出店を募り、各出店者の電子通販カタログを作成。利用者は同アプリを起動した上で、好みの当該カタログをダウンロードして雑誌を読むような感覚で閲覧でき、掲載商品をネットで購入できるという電子カタログをベースとした仮想モール形式となる。なお、スタート時点ではアンドロイド端末のみ対応で、iOS端末は1月中に対応する予定としている。
様々な規模の事業者や生産者の参加を促すため、電子カタログは出店者が販売したい商品の商品画像や紹介文を投稿・登録するなど簡単な操作で完結できる専用プラットフォームを用意。100種類以上のテンプレートの中からデザインを選んで作成できる。商品の紹介文はぷらら側で用意した専門スタッフのサポートを受けることもできるようだ。また、静止画だけでなく、動画を使った商品説明もできるという。電子カタログは商品の選びやすさの観点から、1冊で掲載できる商品数は最大50点を目安とし、それ以上の商品を販売したい出店者は複数の電子カタログを作成する必要がある。なお、商品更新時にはアプリの機能を使って、利用者にプッシュ通知するという。
出店者ごとの電子カタログが基本となるが、ぷらら側主導で「今週のキメオシ!」と題して、「中元」「歳暮」など季節ごとやイベントごとのギフトカタログや特集コーナーなども作成していく予定で、各出店者の商品の中からテーマに合致した商品を掲載することで、各出店者の初回購入促進や拡販などにつなげていく。
出店料や電子カタログ作成料は「無料という方向で調整中で、(出店者からは)売り上げに応じて数%の手数料を徴収する形になると思う」(同社)としている。
来年までにカタログを1000冊に
スタート時点では東急ハンズのアイデア商品を集めた人気カタログ「モノ研」の電子版など3社11カタログを展開。近くイオンダイレクトやアイスタイルなどの通販実施企業も出店するとしている。また、ぷらら自身も出店し、「おとりよせ王子」という名称の食品カタログを作成するようだ。
同社によると、今年3月までをメドに100社超の出店者で総電子カタログ数を数百冊まで拡大。来年3月までに250~300社で1000冊以上の電子カタログの展開を目標としている。一方、ユーザーの利用促進や告知については同社のネット接続サービスや「ひかりTV」の契約者にメルマガや会報誌などで告知。また、同社の各種サービスの利用に応じて付与する独自ポイント「ぷららポイント」が「かたろぐマーケット」でも付与および利用が可能なことから同ポイントを介して利用促進を図っていくとしている。
ネット販売事業拡大へ
ぷららでは展開する光回線を使用したテレビ向け映像配信サービス「ひかりTV」で、同サービスの契約者を対象にテレビをプラットフォームとし、大手通販事業者を主体としたネット販売サービス「ひかりTVショッピング」を実施中だが、思うように売上規模が伸びていない。
「ひかりTVショッピング」とは異なり、利用者を限定しないスマホアプリで大手に限らず、様々な事業者が参加しやすい新たな通販のプラットフォームとなる「かたろぐマーケット」を展開することで、有望分野として注力し、拡大していきたいとする通販事業の売上規模拡大を図りたい考えのようだ。
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