アスクル、茨城の酒屋を買収 酒類販売免許取得で酒のEC強化へ

酒類のECを強化するアスクルの「ロハコ」(現在の酒類販売ページ)

アスクルは4月14日、酒類販売事業を行う昌利の全株式を取得、子会社化した上で吸収合併すると発表した。狙いは昌利が持つ酒類小売業免許の取得でこれにより、アスクルはこれまで取り扱えなかった大手ビールメーカーのビールなどの通販展開が可能となる。主に個人向け通販サイト「LOHACO(ロハコ)」でおける酒類の取扱商品数を拡充し、酒類販売を強化したい考え。

アスクルは7月1日付で昌利が展開する宝くじ販売業など酒類販売事業以外の事業を別会社へ承継させた後、同社の発行済株式のすべて取得し、完全子会社化した上で同2日付で吸収合併する。今回の買収の狙いは昌利が保有する酒類小売業免許の取得のようだ。

酒類の通販に必要な現行の通信販売酒類小売業免許では、生産量の少ない地ビールや地酒などに取り扱いは限られ、大手ビールメーカーのビールなどは通販できないルールとなっている。ただ、制度が改正される平成元年以前の酒類小売業免許はすべての酒類について通販できるようになっており、昌利が持つ酒類小売業免許もそれに該当している模様。アスクルは同免許を保有する企業を買収しようと探している中、「様々な条件面が合致した」(同社)とし、昌利の買収を決めたようだ。なお、買収額については非公表としている。

昌利が現在、運営している酒類の通販サイト「ザ・酒屋さん」

アスクルでも通信販売酒類小売業免許を取得して「ロハコ」で従来からワインなどの酒類を販売してきたが、今回の昌利の吸収合併で同社が持つ同免許を取得したことで、ワインなどに加えて、大手ビールメーカーのビールの通販などを開始し、「ロハコ」での酒類販売を強化したい考えのようだ。

なお、昌利は水戸市内で酒店を経営しているほか、通販事業も展開しており、「ザ・酒屋さん」という名称で自社通販サイトやアマゾンで酒類販売を行っている。2013年8月期の売上高は13億4900万円(うち、酒類販売事業売上高は6億3300万円)、営業利益は600万円、経常利益は100万円、当期純損失は1900万円となっている。

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