Mon, December 11, 2017

【シニア向けSNS】「シニアマーケット」を囲い込む

趣味や関心のあるテーマを中心にウェブ上のSNSを介して集まるシニア層が増えている。高齢社会の中で50~60代以降の中高齢層を中心とするシニアマーケットに対する企業の関心も高くなっている。シニア層にリーチする手段の一つ「シニア向けSNS」の現状を追った。

「広告収益型」と「顧客サービス型」

DeNA の「趣味人倶楽部」は、会員数 31万人と独走状態

シニア向けSNSを運営する会社の多くは、日記や写真、ブログなどの投稿機能や、サークル立ち上げなどコミュニティ機能を持ち、一方で、企業からの広告を収益源とするビジネスモデル。このため、ネット販売事業者は、広告媒体の一つとして活用する道がある。ただ、最近では、自らSNSを立ち上げる通販企業や、通販企業がSNS運営会社を買収する動きもあり、シニア層を囲い込む手段としても活用が始まっている。

中でも、最大規模を誇るのがディー・エヌ・エー(DeNA)が運営する「趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)」。2007年クラブツーリズムと共同で立ち上げた経緯から、その顧客基盤も活用し、今では会員数約31万人(PCのメルマガ会員約20万人、14年8月時点)を抱え、他社に大きく水をあけて独走状態にある。

老舗の一角として知られるのは、シニアコムが立ち上げた「シニアコム.JP」。別会社が2000年に立ち上げたが12年1月にシニアコムを設立して運営主体が変更、同年8月、化粧品通販を行うヴァーナルが買収し、100%子会社となった。

一方、広告を収益源とするこれら2社と異なり、「顧客との関係強化」を目的に昨年9月、「いきクル」を立ち上げたのが、雑誌「いきいき」と通販誌「ふくふく」「スムリラ」を展開するいきいきになる。現在、既存客向けだが、今期中(15年3月期)に一般開放を予定しており、本格的に参入する。

ほかに、宅配サイト「出前館」を運営する夢の街創造委員会が昨年買収したシニア・ナビや、スローネットなどウェブ上にはシニア向けSNSが溢れている。

登録条件も各社さまざま

登録条件や組織の内容も異なっている。「趣味人倶楽部」は、シニア向けではあるが、特に年齢制限は設けず、生年月日や居住エリア、メールアドレス、ニックネームの登録で利用できる。

会員属性は、男性が6割を占め、定年を迎えた団塊世代などセカンドステージを迎える男性や、育児や子供の独立で手が離れた女性など50代半ばから60代前半のシニア層が中心になる。「時間」や「貯蓄」があり、「4割以上が年5回以上、国内旅行に出かける」などアクティブなユーザーが多く、ECの利用頻度も月1回利用するユーザーが53%と、ネット販売との親和性も高い。

シニアコムは「50歳以上限定」とうたっているものの、明確な年齢制限は設けていない。ただ、通常の投稿機能のみを使える「シニアコム会員」と、シニアコムが広告主と企画する〝参加型イベント〟に応募できる「マスター会員」に色分けされている。マスター会員の場合、名前や住所、電話番号など基本情報に加え、家族構成や年収も把握する。

登録数は4万人(メルマガ会員約3万人)、このうち、マスター会員が約8000人。やはり「趣味人倶楽部」同様、男性比率が高く約7割を占める。シニアコムが運営する以前に広告主との取り組みの中で、その企業のOB会に登録を促した経緯から男性が多くなったようだ。

明確な年齢制限を設けないのは、「シニア」を定義するのが難しいからだろう。「自分の人生のライフスタイルが変化した時をシニア期」(シニアコム)と定義しており、子供の独立や定年、セカンドライフなど人それぞれに人生の転機を迎える時期は異なるからだ。

一方、後発のいきいきの場合、「50歳以上」とうたっているものの年齢制限がないのはシニアコムと同じ。だが、大きく異なるのが「女性」と「実名登録」に限定している点だ。雑誌「いきいき」が女性にフォーカスしたものであり、多くのSNSで男性比率が高い中〝女性が安心して話しやすい環境〟を整備することで差別化を図っている。登録時には虚偽登録でないかをハガキを送付して確認、宛名との不一致があった場合は電話による確認も行う徹底ぶりだ。

現在、会員数は1万6000人(14年8月時点)。今期中に3万人、3年後に10万人の規模を目指している。通販会員でありながら「いきクル」に登録していない会員が4万人、今後、一般開放も予定しており、拡大を図る。

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