Mon, December 11, 2017

ブルックスがペイパルを本格導入、外国人客の取り込み狙う

コーヒー通販のブルックスは10月22日、同社通販サイトと東京都渋谷区の「BROOK’S CAFE原宿店」にペイパルを本格導入し、一つのペイパルアカウントを用いたネット・店舗での決済を可能とした。こうした取り組みは日本では初という。店舗では“顔パス”で決済ができる「ペイパルチェックイン支払い」に対応。また、2015年1月31日まで、店内のWi-Fiから専用サイトにアクセスすると、商品が割引価格で購入できるキャンペーンも実施している。ブルックスではペイパルの導入で、外国人観光客など新規顧客の取り込みを狙う。

“顔パス”でコーヒーが買える

ブルックスは14年6月28日に原宿店をオープン。平日は約300件、土日休日は600~1000件の注文があり、顧客のうち外国人が2割程度を占めている。多言語対応できる店員を配置しているほか、店員の対応言語をバッジで示すといった施策を行っている。

同店にはタブレットやスマートフォンに専用のカードリーダーを装着し、クレジットカードによる支払いを可能にする、モバイル決済ソリューション「ペイパルヒア」を導入したほか、無料アプリ「ペイパル」を使った「ペイパルチェックイン支払い」にも対応した。10月22日から同サービスの本格稼働を開始。28日まで、“顔パス”で支払うと全品50%割引とするキャンペーンを実施した。

具体的な手続きとしては、まずあらかじめ顔写真とクレジットカードを登録した「ペイパル」を店舗の近辺で起動。アプリはGPSに対応しており、「ペイパルチェックイン支払い」が使える店舗が一覧となって表示される(写真㊤)。ユーザーがブルックスの原宿店にチェックインし、ペイパルでの支払いを選ぶと、「ペイパルヒア」を導入した店側のタブレット端末に、チェックインしたユーザーの顔写真が出てくるため、店員は本人確認ができる(写真㊥)。レジでユーザーが商品を注文すると決済が行われ、タブレットに支払いが完了した旨が通知される(写真㊦)。

店内から通販商品購入が容易に

あわせて通販サイトにもペイパルを導入し、顧客の利便性を向上。来年1月31日まで、店内のWi-Fiから専用サイトにアクセスしてペイパルでの支払いを選ぶと、コーヒーが割引価格で購入できるキャンペーンを実施。店内から商品を簡単に購入できる仕組みを取り入れた。

店内の三角柱ポップのQRコードを読み取ると、専用サイトに遷移。ペイパルで支払うと割引価格で購入できる。海外在住の顧客が利用した場合は、送料無料での発送に対応するほか、決済後に店舗で商品を持ち帰ることもできる。

ペイパルのIDとパスワードだけで購入できるため、消費者にとっては個人情報を入力する手間が省けることがメリットとなるが、購入後には会員登録画面を設けており、ブルックスにとってはペイパルユーザーの取り込みが期待できることから、海外向けネット販売の拡大を狙う。

ブルックスでは、売上高は公開していないが、国内ユーザーの登録数は約700万人となっている。通販売上高に占めるネット販売の比率は半分程度で、「これまではバーチャルの世界とリアルをつなぐ接点がないという悩みがあった」(小川裕子社長)という。2年前に国内第1号の店舗を、神奈川県足柄上郡中井町にある焙煎工場内にオープンし、さらには2号店として原宿店をオープンした。

海外展開については、2008年に海外向け通販サイトを開設。アジアやオセアニア、中東、ヨーロッパの計27カ国向けに販売している。中国と台湾ではコンビニエンスストアで同社商品を扱っているほか、昨年には台湾に実店舗をオープンした。現在、海外のユーザー数は5万人程度だが、小川裕子社長は「倍々というペースで増やしていきたいとは思っている。現在展開している27カ国のうち、アジアとヨーロッパを中心に攻めていきたい」と意欲的に話す。

海外で販売する際には、日本で焙煎しているという点を強みとする。ブルックスは製茶メーカーからスタートしているが、コーヒーにも緑茶の焙煎技術を活かしており、味の繊細さに特徴があるという。

「コーヒーの味づくりはさまざまだが、当社は『和のコーヒー』を広げたいと思っている」(小川社長)。まずは海外に在住する日本人がターゲットになるが、そこからくちコミを広げるためのインフラをオンライン上で作る計画だ。

ペイパルでは、14年4月にヤマダ電機LABI渋谷に“顔パス決済”を導入しているが、店舗に加えてオンラインも含めたシームレスな決済手段の導入は、ブルックスのケースが日本では初となる。ペイパル東京支店コミュニケーションズ部の杉江知彦部長は「今後はネットとリアルの境目がなくなった決済の仕組みが主流になる」としており、オムニチャネル対応への強みを打ち出しながら導入企業を増やし、アクティブユーザーの拡大につなげたい考えだ。

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