Tue, October 17, 2017

撮影した服に似た商品を表示するアプリ――NECが独自の画像認識技術を活用

「ガジルエフ」は色と柄から似たような商品を表示する

F1層に“似た服”を提案

NECは、独自の画像認識技術を使い、スマートフォンやタブレット端末で服を撮影すると、色や柄を自動認識してタイアップ先の通販サイトで取り扱う似た服やコーディネートを表示するサービス「GAZIRU-F(ガジルエフ)」を2015年2月頃に投入する計画だ。同サービスはファッションの専門番組を放映するFashionTVJAPANと共同展開するもので、衣料品を販売する通販サイトをターゲットに、2016年までに20社への導入を目指す。

NECでは、“欲しい1着に出会えるアプリ”をコンセプトに「ガジルエフ」を展開する。これまでにも、雑誌やカタログなどの紙媒体に掲載された服にスマホをかざして読み込むと、通販ページに遷移して掲載商品がそのまま買えるといったサービスはあるが、多品種少量生産で次から次へと鮮度の高い商品を販売する衣料品のEC事業者が多くなっていることから、消費者が掲載商品を買いたくてスマホをかざしても、サイトを閲覧したときには売り切れているといったケースも少なくないようだ。

そのため、同社では「こんな服が欲しい」という消費者に対して、色や柄が似た系統の商品を多数表示することで、「値段も手ごろだし、この服もいい!」という買い物の楽しみ方を提案する。具体的には、「ガジルエフ」は色と柄で商品を自動認識するが、パイロット版では、色は12色(※技術的には32色まで認識可能)、柄は無地やストライプ、ボーダーなどの6パターンを設定。スマ
ホで読み込んだ商品を72通りに分ける。ネット販売事業者は72のセグメントごとに売りたい順番に服を表示したり、他の商品との組み合わせで紹介することができる。

つまり、「当社で72のワードローブ(洋服ダンス)を作り、その中に提携先の通販サイトが売りたい商品を順番に並べていくイメージ」(田上健第二キャリアサービス事業部部長)とする。

そのため、通販事業者にとっては、売れ筋だけでなく、“死に筋”の商品など在庫に余裕のあるアイテムにも光を当てられるのがメリットだ。実際、通販サイト内で死に筋商品はセール品に分類されるなど売れ残り感が出てしまい、閲覧もされにくいのが一般的だ。

アプリの利用者にとっても、字を入力することなく写真を撮るだけで気になる服と同系統の商品を探せるため、例えば、ファッション誌を見て、気になる商品があっても高くて手が届かない場合などでも、似た商品を安価に見つけることもできるという。

提携先通販サイトは1社独占にはせず、各ワードローブの中で複数社の商品を提案し、ユーザーが選んだ服の売り先に飛ぶようにする。同社はアプリ経由のアクセス数や商品販売実績に応じたアフィリエイト収入を得る。

現状、15年2月頃のサービス開始に向けてネット販売事業者と交渉を進めているほか、認識する柄のパターンを増やしてほしいといった要望も出ているため、サービス時のワードローブの数
は少し増えることになりそうだ。

“そのまま買える”雑誌も発刊

11月下旬から都内の美容室に配布されているマガジン「ペルソナ」

同サービスの投入に先立って、NECとFashionTVJAPANは、ファッションアプリを手がけるGMOメディア、電子書籍サイト「eBookJapan」を運営するイーブックイニシアティブジャパンとファッションビジュアルマガジン「persona.(ペルソナ)」を10月1日に創刊している。同誌は、“スマホで楽しむ、新感覚の未来型雑誌”として発行。文字を使わずに読者の感性に訴えるビジュアルだけの誌面で構成され、F1 層の趣向に合わせたファッションとライフスタイルを提案。「ペルソナ」のアプリを起動して写真にかざすと画像を認識しウェブページに飛ぶ。

同誌の場合は、気になった商品がそのまま、創刊号でタイアップする仮想モール「DeNAショッピング」や、ファッション通販サイトを運営するマガシークとNTTドコモの共同サイト「dファッション」の店舗で買える仕組みで、例えば、「DeNAショッピング」の人気店、神戸レタスとペルソナのコラボ商品などを販売している。この「ペルソナ」のアプリに「ガジルエフ」の機能を搭載する計画で、画像認識を広めるツールとして同誌を活用。ファッションのシーズンに合わせて3カ月ごとに発刊するという。

「ペルソナ」は11月下旬から都内の美容室300店に無料配布され、利用者が自由に閲覧できるほか、都内以外の消費者に向けては、コスト面を考慮して全32ページを「eBookJapan」を通じて無料で見られるようにしている。

同誌は写真家の米原康正氏がプロデュース。撮影はもちろん、モデルやスタイリストのキャスティングなどマガジンの総合プロデューサーを務める。創刊号では高嶋香帆さんと清水富美加さん、大橋リナさんといった旬のモデルが登場する。

「ペルソナ」の掲載商品は「DeNAショッピング」や「dファッション」に飛んでそのまま購入できる また、創刊号には多くの協賛企業がついており、マークスタイラーなどが手がけるブランドや、通販モールでは「DeNAショッピング」と「dファッション」およびその中に入る店舗に加え、ファッション以外ではワイン販売のエノテカや、食品宅配サービスを手がけるらでぃっしゅぼーや、情報サイト運営のぐるなびなども参画している。ファッション以外の企業は「ペルソナ」を広告媒体として活用しており、対象ページにスマホをかざすと、「ペルソナ」読者に割引価格で商品を提供する。協賛企業はホームページやアプリに「ペルソナ」のバナー広告を掲出。「ペルソナ」を核に異業種のネットワークを形成し、新規顧客の獲得を図るという。参画企業は毎号変わり、すでに、化粧品やネイルの企業も参加を検討しているようだ。

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