EC企業の注目施策に学べ “社員力”の引出し方とは?

  • 2015年5月25日
  • 2020年8月26日
  • 特集1

「同じ釜の飯」を食べて社内コミュニケーション

炊いたごはんをみんなで食べる「おなかまPJ」

Hameeではユニークなコミュニケーション制度を設けている。例えば「よこづなランチ」は、毎週金曜日に、ランダムで選ばれた社員同士でランチに行くという制度。部署や性別、年齢に関係なく横の繋がりを大切にしてほしいという想いから始まったもので、会社からは1人1000円がランチ代として支給される。

同社の場合、モバイルグッズのネット販売だけではなく、通販システム「ネクストエンジン」も手がけており、日本国内だけでも130人程度の社員がいる。「他部署と交流する機会があまりないので、フランクな形で会話ができる時間が欲しいという意見が社員から出た」(総務・人事・広報チーム)のが制定のきっかけという。

また、「おなかまPJ(同じ釜の飯を食べるプロジェクト)」は、毎日持ち回り制で米を研ぎ、炊飯器でごはんを炊いてみんなで食べるという制度。米は会社から支給される。おかずだけ持ってきて炊いたごはんと一緒に食べるといった社員も多いという。

ランチルームに人が集まり、食事をする中でコミュニケーションが生まれ、例えば「『通販システムのボタンが使いにくい』『検索はこんな感じにしたほうがいいのでは』といった意見が出るなど、業務改善につながることもある」(総務・人事・広報チーム)。

また、教育制度としては「HameePitch」を定期的に開催している。これは、新しいビジネスアイデアの創出のために、年に2度開催しているもので、1人3分で事業化したいアイデアを発表。内容のブラッシュアップがされていれば何度でも同じプランを出すことは可能という。

正社員・契約社員という身分に関係なく新しい事業を考える場で、ここで「事業化の可能性あり」と取締役に認定された案は「Hamee Hackathon」でさらに詰めていくことになる。

「Hamee Hackathon」は社内から協力者を募り、認められた事業案の開発・創作合宿を行うというもの。事業のプロトタイプを作り、さらには取締役へのプレゼンテーションを経て、事業化するか否かの判断を行う。

今のところ事業化されたものはないが、「Hamee Pitch」は内定者が案を出すことができるなど自由なもので、直近の合宿には新卒者が参加。出される事業プランも「既存事業に関係あるものもあれば、ゲームのようなものもあるなど、さまざまなアイデアが出ている」(同)。将来的に柱となる事業が合宿から生まれてくるかもしれない。

内定者が通販サイトを運営

同社では今年4月、9名の新卒が入社した。ユニークな取り組みとして注目を集めたのが、入社する前の内定者2名に「通販サイトの運営を任せた」ことだ。任されたのは無料で通販サイトが作れるサービス「BASE」を利用したサイト。2人は「ネクストエンジン」担当として採用されたが、内定後に同社でインターンとして働いていたという。「ネットショップの仕組みを理解するには自分がショップを運営するのが一番ではないか」と同社側が提案し、商品選定からページデザイン、PRサイトの設計・構築までを2人が請け負うことになった。

PRサイトでは、2人が「洗濯機購入や家賃支払いのために戦います」などと自虐的な宣伝文句でサイトをアピール。しかし、これまで売れたのはたったの3個。2人は「業務に追われて大変だった。これで受注がたくさん入っていたらどうなっていたことか」と感想を漏らすなど「ネットショップの大変さが身にしみて分かったようだ」(総務・人事・広報チーム)という。

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