DeNA、ファッションアウトレットのイベントにカフェ出店

ディー・エヌ・エー(DeNA)は、5月29日から31日まで、東京都港区のお台場で開催された、ファッションアウトレットのイベント「TOKYO OUTLET WEEK」にカフェ「Lily cafe」(=画像)を開設した。同社が4月に創刊した無料のウェブファッション雑誌「Lily」をアピールするもので、仮想モール「DeNAショッピング」で扱うスイーツなどを販売。3日間で約1000人が訪れた。

Lilyは月刊のコンテンツで、同社が選んだ仮想モールのファッションアイテムをピックアップして紹介している。EC事業本部ショッピングモール事業部の田中慎也事業部長は「価格競争では競合に勝てないので、自分たちで良い商品を選んで情報を発信し、提案していく必要がある」とウェブ雑誌の創刊理由を説明する。掲載された商品を販売するショップから手数料を徴収しないのが大きな特徴だ。

現状ではウェブ広告やSNSを中心にウェブ雑誌をアピールしているが、閲覧数はまだあまり多くないもようで、「(アクセス数の)桁を上げたい」(田中事業部長)としており、今回のカフェ出店もファッションアウトレットに興味がある若年女性へのPRの一環となる。ファッションだけではなく、20代女性に親和性の高いスイーツの分野でも「DeNAがお勧めする商品」を扱うことで、「セレクトショップ」としての色を強める狙いもある。

カフェでは、仮想モール出店店舗・出店予定店舗、計7店舗のスイーツやジュースを販売。チョコレートデザインが運営する「バニラビーンズ」のチョコレートドリンクなどが売れ筋となった。

また、メニューに記載したQRコードからは、Lilyの特設サイトに移動できるようになっており、カフェで扱う商品のほか、カフェで使っているソファーなども販売した。

同社の2014年度仮想モール取扱高は、「SEIYUドットコム」など、注力している食料品・日用品分野がけん引し伸びたものの、かつて強かった若年女性向けファッションは、ギャル向けファッション衰退の影響を受け苦戦しているのが実情で、出店者数も減少傾向にある。

同社では昨年から、広告商品ではなく、自社が選定した商材をモール内で積極的にアピールしていく方針に転換しており、サイトトップでの特集企画を強化。特集でのコンバージョン率は上昇傾向にあるという。また、楽天市場の「楽天スーパーセール」にあわせる形で、3カ月に一度開催している「auショッピングモール」の「ラッキーセール」も、最大40%ポイント還元という高還元率もあり「定期的に開催することで売り上げの”山”を作ることができている」(同)。

今回は他モールでの有名店舗である「バニラビーンズ」への出店交渉をする中で、カフェでの商品取り扱いが決まったという。今後もDeNAショッピングにまだ出店していない有力店へのアプローチを続ける考えで、田中事業部長は「良い商品を持っている店舗に出ていただき、『消費者に商品の良さを伝える』ことに共同で取り組み、『垂直立ち上げ』実現に協力したい」と話す。

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