Sun, November 19, 2017

アイスタイル、「ビジネス領域」強化へ ――〝くちコミ〟起点の行動サポート

「アットコスメ」のスマートフォンサイト全面刷新(画像㊧がトップ画面、㊨が自社ECサイト)

美容に関する総合情報サイト「@cosme(アットコスメ)」を運営するアイスタイルが〝くちコミ〟に比重を置いたこれまでのサービス展開から、グループで展開する化粧品の販売事業などとの連携を強め、より〝ビジネス領域〟の拡張を図っていく。子会社で化粧品通販を展開するコスメ・コムなどグループの各サービスとの連携を強化。〝くちコミ〟を起点に起きるユーザーの「商品購入」や「店舗検索」といったアクションへのフォロー施策を展開していく。

グループ各サービスと連携を強化

「アットコスメ」がユーザーから支持を得てきた背景には、くちコミが生み出す〝客観性〟がある。それだけに自社通販などグループとの連携強化は、そのバランスに少なからず影響を及ぼす可能性もある。 ただ、今回の方針転換は、〝くちコミ〟から商品購入やサロン予約に至るユーザーをフォローする意味での「ビジネス領域の拡張」であり、今後もくちコミサイトとしての客観性は維持し、情報提供もグループサービスに偏らず、幅広い情報を提供していく方針。これら行動に移るユーザーをサポートする仕組みを導入することで、利便性が高まるとみる。

アイスタイルがビジネス領域の拡張を図る背景には、ユーザーの購買行動など市場環境の変化がある。グループではこれまでくちコミサイト「アットコスメ」をはじめ、通販サイト、直営店舗展開、サロン予約事業、海外事業などコスメに限らず、美容領域で幅広い事業を展開してきた。 一方、市場では、化粧品メーカーの美容事業参入や美容関連事業者の化粧品参入、個人のセミプロ化などプレーヤーも多様化し、ユーザー(顧客)との接点や情報流通も変化している。こうした中、アイスタイルではこれまで「アットコスメ」をはじめ各種サービスの展開で蓄積してきたデータを活かし、提供サービスを強化していく。ビジネス領域の拡張に向けた取り組みは来年度中に行う。

セレクトショップ型の自社通販サイトは百貨店からドラッグストアまで各メーカーの1000超のブランドを扱う

商品ページから4万店の「店舗検索」

一環として10月から「アットコスメ」のスマートフォンサイトを全面的に刷新。グループサービスとの連携を進めたほか、〝くちコミ〟に加え、「商品購入」や「店舗検索」、「サロン予約」など購買関連の機能を強化した。

例えば、「アットコスメ」の商品情報ページではこれまで子会社のコスメ・コムを通じて行っている化粧品通販サイトへのリンク、直営店の商品取扱い状況を確認できる機能があった。だが、今回の刷新ではこれら機能をさらに強化。百貨店やドラッグストアなど他社流通の店舗情報約4万5000店も追加した。ユーザーは、商品情報ページから登録された店舗の取り扱い情報を確認でき、外出時などにGPSを使って欲しい商品を近くで購入できる店舗を探すこともできるようになった。

ドメイン統一で、サイト回遊高める

また、これまでスマートフォンサイトは、化粧品通販サイト「cosme.com(コスメ・コム)」やエステや美容室などの予約サービス「ipot(アイスポット)」などを独自ドメインで展開し、分離していた。このため、共通IDであってもグループの各サイト間を移動することで、再度ログインが必要になるなど、ユーザーの利便性に課題があった。今後は、各グループが展開するサービスを「@cosmeドメイン」内に統一。共通のIDを使った各グループサイト間のスムーズに行えるようになった。これにより、ユーザーのサイト間の回遊を増やしていくことを狙っていく(PCは現在も各サイトは別ドメインでの展開)。

スマホサイトのトップ画面も刷新。 「新着コスメ情報」「人気ブログ記事」「ブランドの発信情報」「サロン人気メニュー」などあらゆる美容の最新情報が時系列で表示されるタイムライン構造に変えた。 トップ画面上部には、「おすすめ」や「ランキング」「コスメ・クチコミ」「Beauty」「サロン予約」「お買い物」「ポイント・クーポン」の7つのメニューからなるナビゲーションバーを配置し、ユーザーが必要な情報にストレスなくアクセスできるようにした。

自社ECサイト、機能強化へ

一方、これまではくちコミサイトとしての「アットコスメ」の信頼性確保の面からもコスメ・コムの化粧品通販サイトとの連携は最小限に抑えていたが、今後は連携を強化。「アットコスメ」の知名度や集客力を活かし、コスメ・コムの通販サイトへの流入も図っていく。 10月のサイトリニューアルではサイト名を「コスメ・コム」から「@cosme shopping(アットコスメショッピング)」に変更。商品数も百貨店ブランドからドラッグストアやバラエティショップで販売している低価格帯ブランドまで幅広くラインアップ。詳細は公表していないが、百貨店ブランドとして「ディオール」や「ジミーチュウ(フレグランスのみ)」「ドルチェアンドガッバーナ(同)」など、数百ブランドを追加し、ブランド数は約1500、商品数も約1万4600にまで増やした。百貨店ブランドのみを集めた専用ページや、オーガニック・ナチュラル系ブランドのみを集めた専用ページも開設、今後も取扱いブランドを拡大していく。

ここ数年、数億円規模で売上高が推移していたコスメ・コムだが、前期は(15年6月期)は前年比約43%増の約9億円と右肩上がり。「アットコスメ」との連動性を強めたほか、サイトリニューアルの効果によって、今期は同約66%増の15億円の売り上げを目指している。

「仮想モール」事業にも参入

また、「アットコスメショッピング」ではサイトリニューアルを機に、これまでの仕入れ販売だけでなく、メーカー自ら出店できる「モール機能」も新たに設けた。出店料金は公表していないが、これまで自社倉庫から商品出荷を希望する化粧品メーカーが少なくなく、多様な形で商品を販売できるようにすることで、ユーザーの利便性を高め、新規獲得を進めていく。

ユーザーの利便性を高めた点では、フルフィルメントも強化している。すでに物流倉庫の移転を行ったほか、取扱いブランドの在庫数も拡充。午後3時までの注文について当日出荷が行える体制を整え、配送サービスを向上させた。在庫できる商品が増えたことにより、現時点では「当日・翌日出荷率」が80%超にまで高まっているという。

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