Sun, November 19, 2017

カギひねるだけでモノ買える? ――ヤフーのIoTアプリで開始へ

ヤフーの「マイシングス」に連携した無線LANを内蔵した手のひらサイズの鍵スイッチ「Hackey」。ネット販売商品を購入するためのトリガーに

「“カギをひねる”だけで買えます」──。ヤフーは展開中の専用アプリでネット接続型家電とウェブサービスを連動させ、利用者が便利なサービスが受けられるIoT(インタネット・オブ・シングス)活用サービス「myThings(マイシングス)」で、ユーザーが“カギ型スイッチ”をひねると、事前に指定した商品が通販サイトの「買い物カゴ」に追加される試みを1月中にも始める。スタート時点では商品を「カゴ」に入れるだけにとどまるが、カギを回すと商品購入が完了、配送まで行う完結型のECサービスを視野に入れているようだ。徐々に生活に浸透し始めているIoTだが、ECへの活用も着実に進み始めているようだ。

まずはLOHACOと連動

「myThings」とはヤフーが2015年7月から配信を始めたIoT製品とウェブサービスの窓口となる「チャンネル」を組み合わせて、新しく便利なサービスを受けることができるスマホアプリ。これまで利用者がIoT製品のメリットを享受するためには、これまで製品ごとにウェブサービスと個別に設定しなければならなかったが、同アプリ上で複数の製品とウェブサービスをつなぎ条件を設定することができ、利用者は簡単にIoTの恩恵を受けることができる。

例えば、ヤフーの天気予報サービスの情報をもとに30度を超えたらスマホのプッシュ機能で通知したり、仮想モール「ヤフーショッピング」やネット競売「ヤフオク!」で実施しているセールや設定したキーワードに関連する商品が発売・出品された際にメールで通知するなどだ。

キーをひねるとLOHACOの商品がカートに追加される(写真は2015年12月にヤフーが都内で開催したmyThingsの体験イベントでのデモの様子)

なお、同社によれば現時点で利用率の高い組み合わせは「天気情報」と「メール」および「プッシュ通知」などに組み合わせだという。 この「myThings」に2015年12月16日から無線LAN内蔵のカギ型スイッチ「Hackey(ハッキー)」(販売元・Cerevo)が、また、ヤフーが資本参加するアスクルが運営する日用品通販サイト「LOHACO(ロハコ)」が1月中にも対応することになった。これにより、ユーザー「myThings」上で事前に「『Hackeyをひねる』と『カートに入れる商品』」を「LOHACO」で取り扱う商品の中から設定しておくと、カギをひねった際に、インターネットに接続し、事前設定通りに商品が「ロハコ」の買い物カゴに追加されるようになる。

2015年12月16日にヤフーが都内で開催したmyThingsの体験イベントでは「キーを回すとLOHACOのカートにコーヒー豆が追加される」というデモを行った。「切れてしまったら不便な洗剤などの日用品やコーヒー豆などの食品を気付いた際に“ひねって”おくことでカートに追加しておき、“買い忘れ”を防止できる」(ヤフー・中村浩樹myThingsサービスマネージャー)という。

なお、「Hackey」は「カートに追加」としてのスイッチだけでなく、「ひねる」と「定型メールを送信」するなど様々なWEBサービスの“トリガー”として、また、5色に点滅(点滅秒数は 999 秒以内で設定可能)させられるLEDライトを実装していることから、ヤフーの天気情報サービス「Yahoo! 天気・災害」をトリガーに「雨の時に Hackey のLEDを青く点滅させる」など“アクション”側としても機能するという。

体験イベントではHackeyのほか、新たにmyThingsへの対応を始めたスマートフォンから家電製品の操作ができるマルチリモコン「iRemocon」のデモも行われた

他のECにも門戸広げる

「ひねると商品をカートに追加する」ことに対応する通販サイトはスタート時点では「LOHACO」のみだが、今後は運営する仮想モール「ヤフーショッピング」の商品でも対応させたい考え。

myThingsでは2015年11月から企業向けに自社製品や自社サービスのチャンネル化を申請するフォームを開設しており、ヤフーグループ外の通販サイトも、『myThings』はオープンなプラットフォームであり、複数のECサイトにも参加頂きたい。それによってユーザーにとって便利なサービスにしていきたい」(中村マネージャー)としている。

また、開始時点では「商品をカートに追加する」という動作のみで、実際に商品を購入するには、利用者が「LOHACO」のサイトで決済する必要があるが、今後は欲しい商品をカートに入れ、さらに決済、配送まで完了する試みなども検討している模様。

米アマゾンではすでに「アマゾンダッシュボタン」と呼ばれるネットに接続した専用ボタンを活用して、利用者がパソコンやスマホを介すことなく、あらかじめ設定した洗剤やトイレットペーパーなどの消耗品を“ひと押し”することで発注できる試みを始めている。

ヤフーの試みも含めて、IoTの関連サービスは通販事業者にとってもチャンスの1つと言え、行方を注視しておく必要がありそうだ。

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