Sat, December 16, 2017

大手アパレルからベン チャーまで続々と参入 ファッション商材のオンラインレンタル

「メチャカリ」は月額5800 円で新品の服が何度でもレンタルできる

1年ほど前からファッション商材のオンラインレンタルサービスが相次で立ち上がっている。その特徴は、毎月定額で服などのファッションアイテムを借りることができ、飽きたら返却し、再び違うアイテムを借りられるというもので、価格設定やアイテムの種類、一度に借りられる商品点数などに違いはあるものの、往復送料やクリーニング代金は月額利用料に含まれているケースがほとんどだ。

米国では2~3年前からファッション商材のオンラインレンタルがトレンドのひとつになっていたが、日本でもこの数年でシェアハウスやカーシェアリングなどに代表される“シェアする文化”の土壌ができつつあることや、NSやファッションアプリを通じて自分のコーディネート写真を投稿したり、それらを閲覧して着回しの参考にする人が増えていることなども市場の盛り上げに一役かっているようだ。

また、数年前に参入が相次いだものの、大きな成果を上げられずに撤退した企業が多かったサブスクリプション(定期購入型)ECとは“定額制”という部分では同じだが、当時と比べて動画見放題や音楽聞き放題といったメディア系の定額サービスが一般化していることも、消費者の心理的なハードルを下げていると見られる。

すでに大手アパレルからベンチャーまで幅広い企業がファッション商材のオンラインレンタルを事業化しているが、今後も同様のサービスは増えそう。一方で、メディア系の定額サービスとは異なり、物理的に商品の行き来が発生するほか、返却された商品を再びレンタルできる状態にするにはクリーニング作業が発生するなど手間がかかるため、各工程でコストを削る地道な努力が必要になる。

また、会員登録だけでなく、月額制の有料会員に引き上げるためにも、サービス自体の魅力を高める工夫や、十分な品ぞろえは不可欠で、とくにベンチャー企業にとっては資金調達も含めて、会員数と商品拡充のバランスをとりながら事業拡大を目指しているようだ。主要なファッション系オンラインレンタルサービスの現状と展望などについて見ていく。

新品の衣料品を貸し出す

「アースミュージック&エコロジー」など複数のレディースブランドを提供するストライプインターナショナルは2015年9月から専用アプリを通じて服のレンタルサービス「メチャカリ」を開始した。

月額5800円(税抜)で3点まで何度でも借り換えができるというもので、扱う商品はすべて新品。新作が投入されるタイミングで、「メチャカリ」でも貸し出す。返却は同封されている返却用の袋と伝票を使って着払いで返送。返却時には手数料500円が必要になる。現在、「アース」や「イーハイフンワールドギャラリー」など7ブランドの商品、SKUで約5000品目程度がレンタルの対象となる。

返却された商品は検品を行ってから自社通販サイト「ストライプクラブ」か、「ゾゾタウン」で古着を扱う売り場「ゾゾユーズド」内で定価の半額以下の価格で販売。自社通販サイトでは商品詳細ページに新品と古着のタブを設けてどちらでも買えるようにしているが、アパレルの通販サイトで新品と古着を同時に販売しているケースは珍しい。同社によると、古着の消化率は80%程度で、「ゾゾユーズド」でも売れ行きは好調のようだ。

「メチャカリ」の有料会員の継続率は、仮に新規で100人が始めた場合、当月で5人が離脱し95人になり、翌月にはさらに5人が離脱。つまり2カ月末の時点で90人が残る。この数字について同社メチャカリ部の澤田昌紀部長は「想定していたよりも良い数値だ」と述べる。ただ、3カ月目には10人が離脱し80人になる。この段階で離脱の割合が増える、その一因として「メチャカリ」ならではの特性が挙げられる。

「メチャカリ」では返却期限は設けておらず、ユーザーは商品を60日間借り続けた時点でその商品をもらうことができる。「当初、ユーザーが喜んで大手アパレルもらえると思ったが、もらうと満足して利用をやめてしまうケースがある。そこは盲点だった」と澤田氏。60日でユーザーにとっての1サイクルが終わってしまうのだ。「定額サービスの課題は飽きられてしまうこと。そこは飽きないような仕組みを作らないといけない」(澤田氏)。

また、「メチャカリ」のユーザー層を見ると、新規が60%、店舗購入者が30%、EC購入者が10%という構成で、「ITリテラシーの高いEC顧客が使うと思っていたが、全然違った」(同)。新規のユーザーからすると、同社が扱うテイストが異なる様々なブランドの商品を試せるのが魅力になっていると分析する。

3月には欅坂46 を起用してCM を放映したところ多くの反響があった

同社は「メチャカリ」の認知向上を狙い3月7~27日までの期間、テレビCMを放映。アイドルグループの欅坂46を起用し、メンバー21人がそれぞれ単独で登場するものと総集編の合計22パターン(各15秒)を制作した。

CMについて澤田氏は「反響はすごくありました。CM放映前の2月と比べると3月はダウンロード数で40倍、有料会員数の獲得も15倍になりました」と一定の手応えを得たようだ。

16年1月時点の数字では、ダウンロード(DL)数は4万にのぼるものの、有料会員数はおよそ2000人。CMによりダウンロード数は現時点で数十万まで増加。今年度内(~2017年1月)には有料サービスを利用する会員数を1万人増加させる計画だ。ただ、今期中の黒字化はできないようで、もともとの計画では3年のスパンで収益化を目指しているようだ。

それでも澤田氏は「CMを放映して感じたのは、アパレルのレンタルサービスがいかに浸透していない文化であるかということ。服を借りるということに対して、抵抗というよりは認知がなさすぎる」と指摘する。そして続けて「継続的なプロモーションで認知を増やしていきたい。競合がどんどん参加してファッションレンタルの市場が盛り上がっていけばいい」と澤田氏は展望する。

エアークローゼットやオムニス、ラクサス、スパークルボックスのオンラインレンタルについては本誌にて→購入はこちら

Share This :

Twitter Delicious Facebook Digg Stumbleupon Favorites More

Comments are closed.