Mon, December 10, 2018

KABUKI、VRでネット販売を開始 ――疑似体験とチャット機能で共感を高める

「リアルのトレンドを取り入れたVRショッピングを目指したい」と語る大城CEO

キュレーションメディア型の仮想モールを運営するKABUKIは8月下旬に、仮想現実(VR)を活用したネット販売を開始する。スマートフォンアプリを使って、ファッションショーや展示会を疑似体験しながら商品を購入できる仕組み。チャット機能を使って離れた友人と会話しながら購入することが可能で、その場にいるような臨場感やシーンへの共感を高めることで購買につなげる。まずはファッションやアウトドア、インテリアジャンルでスタートし、年末をメドに品ぞろえを増やしていく。

スマホの傾きでカーソルを操作する

開始するのは「VRショッピング ウィズ ボイスチャット」で、アプリをダウンロードしたスマートフォンをヘッドセットに装着して視聴する。スマホの傾きでカーソルを操作し、商品選択と確認、決済をVRの中で行うことができる。
VRのコンテンツは、技術開発を行う2501と業務提携し共同で手掛ける。ファッションショーや展示会を3D画像で再現し、疑似体験できるようにした。「ファッション」ジャンルは、トレンドアイテムでコーディネートした10体のマネキンがランウェイ上に順番に登場するコンテンツを開発した。気に入ったスタイルのマネキンを選ぶと、商品確認に遷移する。マネキンの近くに360度回転させるアイコンや、拡大・縮小できるアイコンを配置して、カーソルを合わせて操作する。
また、「アウトドア用品」では、商品の展示会をイメージしているもよう。テントやテーブルを設置したシーンを提案し、欲しいアイテムを選べるようにしていくようだ。「リアルのトレンドを取り入れたVRショッピングを目指したい」(大城浩司CEO)と話す。

あわせて、離れた友人同士で会話できる機能を実装した。好みの商品を紹介したり、購入の相談をしたりしながら、リアルに近い買い物体験を可能とした。今後、SNSを活用して、友人をサービスに誘導できる仕組みの導入を検討しているようだ。
決済はアマゾンなどが提供するID決済を活用しており、マネキンのコーディネートをそのまま購入できるようだ。

アプリをダウンロードしたスマートフォンをヘッドセットに装着して視聴する

臨場感で潜在需要を喚起する

同サービスは、キュレーションメディア型仮想モール「KABUKIペディア」のコンテンツとして展開するもの。「KABUKIペディア」は出店するネット販売事業者が投稿する商品記事ページを通じて、潜在需要の掘り起こしを目指してきた。これまでに「トースターを使って素敵な朝を迎える幸せ」や「バターって体に良いの?」などの商品記事ページを掲載。商品を使うことの楽しさや、ユーザーが興味関心のある有益な情報を発信し、通販サイトへ送客してきた。

今回のVRショッピングもこの一環で、ユーザーにその場にいるような臨場感を味わってもらい、共感を高めて潜在需要の掘り起しを目指す。

「KABUKIペディア」の商品記事ページにはVRに誘導するボタンを配置する。クリックすると、アプリのダウンロードの有無やヘッドセットの所有を確認する画面が立ち上がり、視聴を促していく。ヘッドセットを持っていない場合には、仮想モールで販売されているヘッドセットの商品ページを案内し、ユーザーの視聴環境を整えていく。「これまでの購買行動の中で自然にVRを視聴できるように導線を設けて浸透を目指す」(同)とした。

VRショッピングは、「KABUKIペディア」に出店する通販サイト向けの販促策の1つとして提供する。出店する通販サイトからはプロモーション費用のほかに、購入に応じて手数料を徴収することを視野に入れる。

7月27日に都内で発表会を開催し、ファッションショーとサービスの紹介を行った

「今年はVR元年」

一方で、VRは黎明期で、今回の新たなサービスが浸透するかは未知数。ただ、大城氏は「今年はVR元年と言われている」と指摘し、今後,VRが一般ユーザーへと普及すると予想する。
大城氏は「VRへの投資額は2020年に13兆円となる調査結果もある」と説明。高性能のVRヘッドセットが注目されていることや、今秋に、ゲーム機器「プレイステーション」がゲーム用デバイスとして投入される予定で活発化している。
また、世界ではすでにショッピングへの活用事例も出ており、今年5月にはイーベイがVRを使ったネット販売を開始し、専用のヘッドセットを使って、1万2000点以上の商品を3Dで確認して購入できるようにしているという。また、最近では、数千円の安価なヘッドセットも登場しており、専用アプリをダウンロードしたスマホを使って視聴するサービスも出ている。セブンネットショッピングは、CDやDVD、雑誌の販売で、購入者向け特典にVRコンテンツを用意している。段ボールのヘッドセットをセットし、購入者が手軽に視聴できるようにした。

大城氏は、商品の増加に伴ってVRコンテンツを視聴するユーザーが増えると見る。「手元のスマホを使って多くの人に視聴してもらいたい。まずは体験してもらうことが重要」(同)とした。
今回のサービス開始に伴い、7月27日に都内で発表会を開催し、ファッションショーとサービスの紹介を行った。発表会には読者モデルや人気のインスタグラマーなどを招待し、SNSでのくちコミの拡
散を目指す。今後、VR技術を活用して観光体験ができるサービスの提供も計画する。インバウンド需要での対応で、ユーザーの拡大につなげたい考えだ。

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