Sat, July 21, 2018

アスクルの物流拠点火災、業績への影響は? ――「ロハコ」の完全復旧は9月に

物流センターの火災にいて陳謝するアスクルの岩 田社長(写真中央=3月9日開催の記者会見より)

アスクルは3月9日、埼玉県内の同社大型物流拠点「アスクルロジパーク首都圏」の火災に関する記者会見を都内で開き、火災の影響で販売商品の欠品や配送遅延が発生している同社運営の通販サイト「LOHACO(ロハコ)」の完全復旧が9月末までかかる見通しを示した。3月と9月に埼玉県内と都内などにそれぞれ代替センターを貸借して稼働させ、大型拠点火災に伴い、東日本エリアで販売できなくなっている「ロハコ」用商品の在庫・配送をカバーする考え。

欠品や配送遅延で現在までに発生、また完全復旧までに発生するであろう販売機会損失の金額については「ロハコの配送の6割を担っていた物流拠点が稼働していないわけで大きな影響が出ているのは間違いないが、推定できていない。いかに早く物流体制をリカバリーできるかで変わってくる。全精力を傾けてできるだけ早く体制を整えたい」(岩田社長)とした。
「ロハコ」は2月16日の物流拠点の火災後、首都圏を含む東日本エリアの配送を横浜の拠点に切り替えたが、同拠点には法人向けオフィス用品通販用の商品で「ロハコ」でも併売する3万点は在庫しているものの、「ロハコ」のみで販売する「ロハコ専用商品」がほとんどなく、同社の直販商品約6万点のうち、半分の3万点が東日本エリアで欠品、販売できない状況が続いていた。その後、大阪の拠点から売れ筋を中心にロハコ専用商品5000点強を東日本エリアへ配送する体制としたほか、横浜の拠点にもロハコ専用商品の商品在庫を増やしたものの、法人向けオフィス用品通販用商品の在庫との兼ね合いやスペースの関係で拡充できた商品は3000点程度にとどまっていた。
また、配送リードタイムも物流拠点の火災発生後は最短翌々日の配達と通常よりも1日遅れとなっていたが、現状は「配送スピードよりもあらかじめ設定した配送日に遅れることなく届けることを重視した。(物流拠点の火災で)出荷能力が落ちている中、出荷量と注文数の見合いで『届け日』を都度、設定している」(同社)としており、3月中旬現在では配送リードタイムは最短9日となっている。

埼玉や都内に代替物流拠点

アスクルでは3月末から埼玉・所沢に3カ所(広さは合計約1万6500m2)と東京・平和島に3カ所(同約2万1780m2)を賃借し稼働させる代替センターへ、横浜の拠点が担っていた法人向け通販の在庫および出荷業務などを移管させ、横浜拠点の「ロハコ」の商品在庫拡充と出荷業務拡充にあてる。また、9月に稼働させる予定の3カ所の代替センター(設置エリアは未定、広さは合計約2万6400m2となる予定)では主にロハコ専用商品を在庫し配送を行うようにする。

「代替センターが稼働すれば、(火災前の)『ロハコ』の販売商品数をほぼカバーできる」(川村勝弘執行役員)という。
なお、火災で大半が焼失した「アスクルロジパーク首都圏」は基礎や1階部分の比較的、被害が少なそうなことや「まだ決定したわけではないが、地元住民の皆様から励ましの言葉も多数頂いている」(岩田社長)とした上で、「できれば再開させ、雇用も継続したい」(同)としている。

「ロハコ」が正常化するまでには9月末までかかる 見通し

9月の完全復旧後はグループのヤフーやソフトバンクなどが実施するキャンペーンなどを多用するなどし、再び「ロハコ」を火災前の高成長軌道に戻したい意向のようだ。
なお、火災に伴う業績への影響は主力の法人向けオフィス用品通販事業は火災で受注を停止した大型物流拠点の配送依存度が低く、2月16日の火災発生直後にあった栃木など5県で発生していた配送遅延は21日にはほぼ正常通りに戻っており、当日・翌日配送も埼玉を除き、通常通り、すでに実施している。また「ロハコ」のように販売商品の制限もなく、全商品を販売しており、業績への影響は少なく、「(火災後の)足元も前年を超える成長を継続している」としており、売上面で深刻な影響は出ない模様。
利益面に関しては火災に伴い、焼失した物流センターの資産に火災保険が適用されなかった場合、最大で損失額は95億円となり、その場合、今期の決算は赤字に転落する可能性があるとの考えを示した。

Share This :

Twitter Delicious Facebook Digg Stumbleupon Favorites More

Comments are closed.