Wed, December 12, 2018

サービス続々登場で群雄割拠の様相に! ネットレンタル時代がやってくる?

レンタルサービスが増えている。シェアリングやサブスクリプションといった言葉が徐々に浸透し、人々のライフスタイルの中に「所有しない」という新たな選択肢が生まれている。プレーヤーが増加している背景にはそうした時代のニーズもあるのかもしれない。ネット販売とレンタルはそのビジネスモデルにおいて共存は可能なのか。最新の取り組みを見ていく。

個別提案や独自商品で差別化
課題はサービスの認知度アップ

【ネットレンタル時代がやってくる? その① アパレル】

洋服との出会い体験を目指して生まれた「エアークローゼット」

ネットレンタルのサービスで注目を集めているのが「アパレル」だ。数年前からいくつかのプレーヤーが現れ、それぞれ拡大を目指している。
その1社が月額制のレディースアパレルレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」を行うエアークローゼットだ。「エアクロ」は月額6800 円の「ライトプラン」(月1回のみ)と9800円で借り放題の「レギュラープラン」を用意しており、1回3着ずつ専用の箱に入れて届ける。

「エアクロ」は2015年1月に始まった。「そもそもファッションのレンタルをしたいと思って立ち上げたわけではない」。サービスを運営するエアークローゼットの天沼聰社長はこう述べる。「レンタルが目的でなく、日々の生活の中で感動や洋服との出会い体験をたくさん作ろうと考えた。どこでも場所を選ばずに出会ってもらいたかったので店舗でなくオンラインのサービスになった」(天沼社長)。
「エアクロ」は200人以上のスタイリストが在籍しており、ユーザーごとに個別に着こなしを考案する「パーソナルスタイリング」が売りだ。「忙しい中で固定概念の外にあるものに出会うために信頼できる第三者としてスタイリストが選ぶ」(同)。これにより普段は選ばないブランドや色に出会ってもらおうというわけだ。

同社は「エアクロ」の実店舗展開として2016年10月に不動産賃貸のエイブルと共同で東京・表参道に実店舗を開設。スタイリストが常駐し、来店客に合わせたスタイリングを提案。リアル拠点でもレンタルを行っている。

OEMメーカーを使って

オリジナル商品を提供

自社オリジナル商品をレンタルで貸し出す「エディストクローゼット」

「エアクロ」と同様に月額制の女性向けのファッションレンタルを展開しているのがenish(エニッシュ)。同社のサービス「EDIST. CLOSET(エディストクローゼット)」は2016 年1月に開始し、これまで着実に会員数を伸ばしている。
「エディスト」では1カ月契約でお試しができる「トライアルプラン」(月額8800 円)のほか、3カ月契約の「レギュラープラン」(同8300 円)、6カ月の「ゴールドプラン」(同7500 円)、1年の「プラチナプラン」(同7300 円)の計4プランをラインアップしている。
トップス2点・ボトムス2点などからなる4アイテムを1セットにして月に1度届ける。春夏秋冬の4シーズンごとにそれぞれ7種類程度のコーディネートを組んでおり、ユーザーはその中から気に入ったものを選ぶ(「トライアルプラン」は同社が選んで送る)。同社EDIST. 推進室の満薗かおり室長は「どのコーデを選んでもらっても、その4枚を活用すれば毎日の着まわしに悩まないのが売り」と説明する。複数あるコーデの中からサイズを含め個別にアイテムを選択することも可能だ。

「エアクロ」の場合は、ユーザーの特徴や希望を踏まえてスタイリストが個別にコーデを組むため、どういったものが届くかは分からない。「エディスト」はすでに決まったセットが届く。箱を開けた時の驚きは「エアクロ」のほうが大きいが、ユーザーの好みとのギャップは「エディスト」のほうが少なくなる。
「エディスト」で貸し出す商品はすべてオリジナルだ。数社のOEMメーカーと取引しており、商品には「エディストクローゼット」のタグが付いている。
「仕入れだと、同じ商品を安定的に確保できない」(満薗室長)。仮に仕入れ商品を使ってコーディネートを100セット組むとして、在庫の供給が安定しないためトップスが100点集まったとしてもボトムスは足りないといったことも起こりえる。自社商品であれば数量をコントロールできる。加えて「脇の稼動を広くしたり、ウエストのゴムを強化するといったことも自分たちで企画すると提供できるが、仕入れになると探すのが難しくなる」(同)。こうした理由から同社はオリジナル商品の貸し出しにこだわる。

新品を貸し出すことでトレンドを反映

アプリで展開する「メチャカリ」。AIチャットボッ トが服選びをサポートする

専用アプリのみでレンタルを行っているのがストライプインターナショナルの「メチャカリ」だ。
2015年9月に開始。11 月15 日時点でアプリのダウンロード数は83万、そのうちアクティブの有料会員は1万2000人にのぼる。同社は「earth music& ecology(アースミュージック&エコロジー)」など複数のブランドを展開しているが、「メチャカリ」では他社から仕入れたブランドも合わせて約50 ブランドを貸し出している。

貸し出す点数はプランによって異なり、3点借りることができる「ベーシックプラン」(月額5800円)、4点の「スタンダードプラン」(同7800 円)、5点の「プレミアムプラン」(同9800 円)の3種類から選択できる。

商品はすべて新品で提供。自社ブランドであれば店頭に並ぶのと同じタイミングで貸し出すため、その時のトレンドを反映した商品がそろう。ユーザーは60日間借り続けるとその商品をもらうことができる。返却されたものに関しては同社の自社通販サイトや「ZOZOUSED(ゾゾユーズド)」を通じて古着で販売する。
「メチャカリ」は10月からAIチャットボット機能を導入した。パーソナライズしてユーザーに合わせたコーディネートやアイテムの提案をAIが自動的に行うというもの。個別にスタイリングすることによって、服選びの悩みを解決するのが狙いだ。
今後のサービス拡大に向けた課題として同社メチャカリ部の澤田昌紀部長は「認知が足りていない」と指摘する。そこでCM放映などマス向けのプロモーションを展開し、サービスを知ってもらう取り組みを進めている。

認知度を上げないと

「新規獲得進まない」

ストライプインターの澤田部長が言う「認知不足」への課題認識は何も「メチャカリ」に限ったものではなない。「エディスト」の満薗室長もファッションレンタルの知名度がまだ低いことを課題に挙げる。「認知度を上げるのはハードルが高いが、これをクリアしないと新規獲得は進まない」(満薗室長)とする。その上で「まだ新規でとれる層はたくさんある。競合を心配している場合ではない」(同)と続ける。
「エアクロ」を運営する天沼社長も「レンタカーは根付いているけども、それ以外のレンタルはまだこれから」とし、今後予想される新たな企業の参入も「市場が拡大するという意味でも、人々の文化に根付くという意味でも歓迎」と述べる。

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