Wed, December 12, 2018

新料金プランで 大幅値上げの可能性も LINEの法人アカウント統合

LINEが来春をメドに法人向けアカウントを統合する。現在の各アカウントを一本化して新たに「LINE 公式アカウント」にまとめる。統合後は一定のメッセージ配信数を越えると通数課金となる。そうなると友だち(LINEのフォロワー)を多く抱えていたり、頻繁にプッシュ配信をしている企業は大幅な値上げになる可能性もある。ネット販売事業者の中にも顧客の接点としてLINEアカウントを積極的に活用している企業は多い。値上げにならないようにメッセージの配信数を減らすという手段をとった場合、LINE アカウント経由での売り上げが減少することも想定される。アカウント統合に向けて必要な対策とは果たして──。

追加配信分は通数課金に

図1

LINEが公開している資料や公式ブログなどの情報によると、今年12月3日に新たな「LINE 公式アカウント」を開設し、既存の公式アカウントやビジネスコネクトアカウント、LINE @などのアカウン統合は来春から開始するとみられる。
統合後の「LINE公式アカウント」のプランは「フリープラン」「ライトプラン」「スタンダードプラン」の3つに分かれる(図1)。月額固定費は「フリー」が無料、「ライト」は5000 円、「スタンダード」が1万5000 円となる。3つのプランは自由に変更することができる。月額固定費の範囲でメッセー「スタンダード」4万5000通となっている。なお、タイムラインへの投稿は全プランで無制限に可能だ。

新プランで押さえておくべきは、月額固定費内の通数を超えて追加でメッセージを送るケースだ。無料の「フリー」はメッセージの追加配信はできない。「ライト」は追加でメッセージを送ると、追加分は1通ごとに5円課金される。「スタンダード」は、追加メッセージの数に応じて1通当たりの単価が変動する仕組みになっている(図2)。
実際にLINEが紹介している例を参考にすると例えば、ライトプランで追加メッセージを1000 通( 合計通数1万6000通)送る場合、追加分の料金は1通あたり5円となるため、月額固定費の5000円と合わせると合計1万円になる。
スタンダードプランで追加メッセージを1000 通(合計通数4万6000 通)の場合では、追加分は5万通以内であるから単価は1通あたり3円。1000通×3円で3000円となり、それを月額固定費1万5000円に合わせた合計金額は1万8000円だ。

最後にスタンダードプランで追加分のメッセージが10万通( 合計14万5000通)のケースでは、追加メッセージのうち5万通までは1通3円で、5万1通目から10万通までは1通あたり2.8 円が課金される。つまり「5万×3円=15万円」と「5万×2.8 円=14万円」を足した29万円が追加分の料金。それに月額固定費の1万5000円を合わせた合計は30万5000 円になる。
ちなみに、公開されている追加メッセージの料金は月に100万通まででで、それを上回る際は「各営業担当までお問い合わせください」(LINE の公開資料)となっている。

インパクト大きいのはLINE@

図2

統合後の新料金プランによってLINEアカウントを活用する企業にはさまざまな影響が出てきそうだ。
今年9月に公式アカウントを開設したドゥクラッセでは週1回の頻度で、セグメント配信している。同社CMO兼web事業長の藤原尚也氏は「アカウントが統合されることで、サービスが明確になり、使用用途や効果も明確にできるのでとてもいい判断だと思う」と評価する。料金についても「当然コスト増になることは好ましくはないが、費用対効果が伴えば問題ない」との見方だ。
一方、LINEアカウントに詳しい関係者によると「(セグメント配信できる)API型公式アカウントとビジネスコネクトアカウントは、単価は違えど元から通数課金であることから、通数課金のインパクトはLINE@のほうが大きい」と分析する。
LINE@は現状、無料の「フリープラン」以外は決まった有効友だち数(※ブロックされていないリーチできる友だちの数)に対しては無制限にメッセージを配信できる。「プロプラン」は有効友だち数10万人までであれば月額2万円で無制限に配信が可能だ。
LINE@ 向けに自動接客ツール「WazzUp !(ワズアップ)」を提供しているファナティックの野田大介社長は「今後は2万円のところが10万円や20万円、あるいは試算すると百万円を超えるようなアカウントもザラに出てくる。値上げ幅が倍とかのレベルではなく、激変するだろう」と予測する。

例えばLINE@のプロプランで有効友だち数5万人を抱える企業が週1回全員に配信していたとする。
統合後のスタンダードプランで配信頻度や配信先を同じように運用したとすると、かかるコストは月額で44万8000 円になる。LINE@のプロプラン2万円に対して42万8000円分のコストアップになる計算だ。

つまり、LINE@を使っている企業の場合、有効友だち数を多く抱え、頻繁にメッセージを配信していればいるほど、今回の統合による値上げのインパクトが大きくなると言える。
こうした事態を想定して野田社長がいくつかの対策を提案する。1つ目が配信数を抑えること。ただし、これを行うとコンバージョンは落ちることが想定される。それ以外には、LINE をやめてアプリに切り替えるという方法。通数課金の影響はなくなるものの、多くの顧客が離脱する可能性が高くなる。最後が、個別配信を増やすというもの。個別にセグメントして効率的にリーチを図るという戦略で、本格的に実施するにはツールの導入などが必要になる。

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