Tue, October 15, 2019

eBay 越境ECの手引き 鍵は「欧米」、“脱中国”で勝ちに行く【最終回 中古商材に特化したセラー支援ツールを充実】

イーベイ・ジャパン インテグレーション マネージメント部長 山口 秀夫 氏

――まず、担当されている業務の内容を教えてください。

セラーさんに対して技術的なサポートを行っています。出店初期の段階で英語の出品用データを作成するのですが、国内モールのデータをお持ちであればそれをeBay出品用に変換するお手伝いをさせていただいています。セラーさんにあまり負担を掛けずに、まずは100~数百の商品を出品するところをお手伝いします。

また、出店してから何年間か経っていながらも伸び悩んでいるセラーさんや、社内システムをインテグレートしたい場合などにeBay のシステムと連携させたりすることもお手伝いしています。

――初期の出店者に対してのサポート体制はどのようになっているのですか。

出店に当たっては「eBay のID」を取得する必要があります。法人無料サポートという窓口がありますので、こちらで対応できるセラーさんに対して日本語でサポートしていきます。担当者による技術的なサポートや電話での対応などがあります。

――出店者の出品までのスキームでお手伝いしている部分もあるのでしょうか。

まず、ビジネスポリシーが3つあります。海外から商品を返品された際の送料はどう処理するのか、バイヤーさんからの支払いを受ける方法、配送について注文を受けてからどれくらいで発送するのかなどの設定です。また、サードパーティー(外部の支援企業)が作った、日本語でeBayに出品ができるツールがあり、このツールに対応したCSVフォーマットに変換する作業のご支援なども行っています。

――出店者側の準備として特別に何か必要なことはありますか。

バイヤーさんの国によっては物が届きにくいこともあります。例えば南米など配送事情があまり良くない地域、紛争地域、軍の施設などです。それを考えるとまずはアメリカ向けで始めましょうということです。また、高価な商品に関しては保証が付いた配送サービスがあるのでそちらを利用することも勧めています。

eBay の基本的な取り引きのフロー

――eBayの方でセラーさんを保証するような制度はありますか。

例えば、台風のような自然災害などが発生したことで商品の発送が遅延してしまった際に、セラーさんの責任で遅れが生じたという評価にならないようにする仕組みがあります。やむを得ない事情があるにも関わらず、バイヤーさんが不当にネガティブな評価を受けないように保護するのです。

――セラーさんからは英語を使った作業に対する問い合わせなども多いと思いますが、そこについての支援はありますか。

eBayは基本的に英語での操作になります。英語が苦手というセラーさん向けには、サードパーティーが提供している日本語のインターフェースで出品できるツールがあります。
また、サードパーティーが提供しているツールには無料のものと有料のものがあり、無料のものではセラーさん自身が英語に翻訳した出品用データ(商品情報など)を用意して出品することができ、有料のものでは日本語のデータを自動翻訳して直接eBay に出品するということが一気通貫でできるものもあります。

ただ、有料のものはそれなりに値段もかかるので、いずれは、当社がリリースするツールとして、商品情報を無料で翻訳できるツールや、翻訳済みデータをeBay出品用フォーマットに変換できるツールなどを提供したいと思っています。各種ツールにつきましては、セラーさんの要望に応じて段階的に開発、提供していくつもりです。現時点では、セラーさんからすると、継続的に商品情報を英語で作成することが一番大きな負担となっています。セラーさんの対応を通じて翻訳機能を提供することが一番のファクトだと感じていますので、まずは、ここに手を付けることを考えています。

日米間でのカーパーツの適合車種が一目で分かる仕組みも開始

「カーフィットメント・ツール」の導入で適合車種が一目で分かるように

――カーパーツの取り扱いに関して、日本と米国の車種適合が簡単に確認できる新たなツールが7月に導入されたと聞きました。

「カーフィットメント・ツール」と呼ばれるものです。簡単に申し上げますと、例えば日本のカーメーカーが国内で「A」という名前で発売している車種は、アメリカでは「B」といった違う名前で販売されていることがあります。仮にセラーさんが「A」に適合するマフラーを売りたいと思って「A」の名称で英語の商品データを作って販売したとしても、現地のバイヤーさんは「B」という違う名前でしか認識していないので、その商品を見つけることができません。
今まではそういった車種名の変更がないままで出品されることがありましたが、バイヤーにとってカーパーツというのは、金額も比較的高いジャンルに当たり送料もかかるものなので、もしも購入して取り付けができなかったら非常に困るという問題があります。このツールはその問題を解決するものです。具体的にはセラーさんが日本のメーカー、モデル名、型式などを入力すると、販売したい国での名称への変換に加え、何年式の車に取り付けができるかなど、そういったデータが一度に自動的に変換することができます。こういったデータをひとつずつすべて人の手で入力するとなると、かなりの大変な作業になりますが、このツールでは一度に大量のデータを入れても対応できるようになっています。サービス開始から2週間ほどで数百のユニークユーザーが使用していたようです。

――バイヤーさんにとってもメリットが大きいですね。

eBay の中には「eBay Motors」という車・自動車関連商品専用の販売コーナーがあるのですが、これまでのページ内で自分が欲しいと考えている車種や年式などを入力することで、適合するパーツが一覧で表示されて探すことができるようになっていました。しかしながら、日本での車名のままのパーツではここの検索に引っかかることがありません。バイヤーさんにとっても、今回のカーフィットメント・ツールが導入されたことで欲しくなったパーツは何年式のどの車種に適合するということがはっきりと分かるようになりますので、非常に買いやすくなるでしょう。これまでも、しっかりと車種名を海外のモデルに合わせて変換しているセラーさんもいたことはいたのですが、大多数はされていなかったと思います。アメリカの整備工場の方などカーパーツをよく熟知されている人は感覚的にどれが適合するのかということは見分けられたとは思いますが、そう多くはいないでしょう。繰り返しになりますが、カーパーツは、値段も高く大きさもあり失敗できない買い物です。

日本のセラーさんが取り扱うカーパーツ自体の人気が非常に高まっているということもあります。セラーさんも出品したあとはよく検索されるようにして、手間なく継続して売り上げをのばしていきたいと考えています。そうした状況の中で、コンバージョン率を上げるため、セラーさんからの強い要望もあって今回のツールをリリースしました。

“ギャップ探し”をビジネスのヒントに

「eBay Motors」は車・自動車関連商品専用の販売コーナー

――そのほかにセラーさんにお勧めできるようなツールではどういったものがありますか。

以前からあるツールなのですが、配送ラベルを印刷できる無料ツールがあります。セラーさんの管理画面上にバイヤーさんが注文した商品が表示されるのですが、その商品配送方法を選択することで、商品のトラッキング番号が自動的に入力されるものです。

本来ですと、郵便局に行って一つ一つ転記する手間が必要なのですが、1日に多くの荷物を扱うセラーさんにとっては大きな作業負担となります。このツールであれば一括で印刷できるので非常に楽です。すべて日本語で対応しているというところも大きいですね。

――新品商品が多い「アマゾン」などと違ってeBay は中古が多いので、そういった観点からの独自の支援ツールなどはありますか。

「エクスプローライーベイ」はeBay 内でのバイヤーの関心や人気が分かるようになっている

バイヤーさん側も日本の品質が良いということは認知していて、国内よりも海外で高く売れるという中古商品は多いです。eBayのサイト内で「ソールドリスティング」を選択すると過去に販売された商品の情報が出てきます。直近数カ月分のデータを見ることができるのですが、商品名を入れると、どこの国のセラーさんが出品したものがいくらで売れましたという情報がすべて出てきます。自分たちの商品をどれくらいの値付けにすれば良いのか分からない時にここを参考にして価格を決めることができます。

そのほかにも例えば、日本ではもう売られていないようなゲーム機のコントローラーが外国では高値で売れているというケースがあります。日本では100円の価値しかない商品が外国ではその数倍の値段になる。こうした“ギャップ”を探すことができるようになるのです。仕入れルートがきちんとあるのであれば、こうした差額は利益になりますので、日本と外国とでのトレンドの違いを見極めて、商品仕入れの参考にするような場合にも活用できます。

関連して「エクスプローライーベイ」というサイトも提供しています。ここでは、今eBayの中でどういった商品に興味を持たれているのか、一番売れている商品などトレンドが分かるようになっています。これはバイヤーさんもセラーさんも使える機能です。例えば、商品名を入力しますと直近6週間の検索数や価格の推移などが折れ線グラフのデータとして表示されます。

また、カメラやバッグなど、カテゴリーで入力すると、過去1週間でそのジャンルで売れた商品が購入件数ベースで上位から分かるようにもなっています。一眼レフならばどういった型式のものが売れたのか、さらに国ごと、価格帯ごとにソートもできます。検索数が多いイコール、興味を持たれている、よく売れるということなので、セラーさんにとっては非常に参考になる指標です。

法人サポートがついたセラーさんだけが見られる機能としては、「新製品カレンダー」があり、ここでは国内外のイベントが表示されます。例えば、来月にこの映画が公開されるタイミングなので、関連するグッズを売ってみてはどうでしょうというような呼びかけにもなりす。

――今後、新たなツール開発の予定としては。

2019年8月よりイーベイ・ジャパンが運用するセラーポータルに順次、機能追加することを考えています。セラーさんがeBayのIDでログインすると、これまでどれくらい売り上げが伸びたのか、メッセージの数、フィードバックの数といったものが円グラフやチャートで表示されるようになるものを検討しています。セラーさんがeBay内での自身の販売状況を、一目で分析できるようになるという仕組みです。

また、これまでは色々なところでツールや情報を提供してきましたが、今後はセラーポータルにすべて集約していきます。登録から出品に関わる、あらゆるツールがこちらから利用できるような形にしていこうと思ってます。

2017 年に「イーベイコネクト」という開発者向けのカンファレンスを行いました。新APIの説明など色々なことを行ったのですが、こうした形で技術者が集まって成功事例やプログラムの共有も行っていますので、今後はそこも活性化させていければと思います。(おわり

タグ:

Share This :

Twitter Delicious Facebook Digg Stumbleupon Favorites More

Comments are closed.