Sun, March 29, 2020

スマホでスマホをネット販売する「ウチモバ」スタート ――会議アプリでテレビ電話、相談から契約まで完結

夜遅くまで営業している携帯ショップ

Zoomを介してオペレーターに相談しながらテレビ電話でス マホの購入・相談ができる(12月11日開催の記者会見での デモの様子)

通信回線の取次やWiFiサービスの提供などを行うオールコネクトは12月11日から、スマートフォンでのビデオ通話で店員に相談しながら、スマートフォンを購入できるサービス「ウチモバ」の展開を開始した。携帯電話ショップに出向いてスマホの購入・契約を行うように、スマホを介して店員の説明やアドバイスを受けながら自身にあったスマホや料金プランなどを選べ、オンライン上で購入・契約を完結することができるという。子育て中の女性や忙しいビジネスマンなど携帯ショップが開店している日中に来店しにくい層などの利用を見込む。

「本ならアマゾン、服ならゾゾとスマホを使ってモノを購入することは当たり前となっているが、“スマホ”の購入は進んでいない。スマホの市場規模は非常に大きく、(ウチモバの開始で)力を入れていきたい」(岩井宏太社長)とし、今春にはテレビCMを含む大規模なプロモーションの展開も計画しており、現状、実店舗経由の契約が主流となっているスマホ販売市場に食い込み、スマホEC事業を収益の柱に育てたい考えだ。

「ウチモバ」はビデオ会議アプリ「Zoom」を活用してオペレーターとユーザーをつなぎ、実店舗の店員とのやり取りと同様に、最適な機種や料金プランなどを相談しながら、スマホ購入や契約ができる予約制のスマホ購入・契約のネット販売サービスで、オールコネクトのグループ会社のオールコネクトシーシーが展開する。スタート時点で利用者が購入・契約できるスマホはソフトバンク(SB)の端末のうち、iPhoneなどアップル社製品を除くアンドロイド端末となる。現状、携帯電話販売代理店によるウェブでの非対面販売を許可している携帯電話キャリアがSBのみで、アップル社が同社製品の代理店による非対面販売を許可していないためだという。

「ウチモバ」を利用したいユーザーは専用サイト等で掲載しているQRコードをスマホで読み取り、ウチモバ専用LINEに友達登録し、その後はLINE上のやり取りで「乗り換え」や「新規契約」「機種変更」などの相談内容を決めた上で、相談予約日を設定。予約日前にZoomのアプリのダウンロード方法や使い方のほか、当日に相談を担当するオペレーターを紹介する画像や動画をLINEで送信して、利用者の不安を払しょくしつつ、予約当日には担当オペレーターにつながるZoomのURLをLINE上で案内し、利用者が当該URLをタップすると相談がスタートする流れ。

「ウチモバ」を開始したオールコネクトの岩井宏太社長㊨と記者会見に ゲストとして登壇したタレントの優木まおみさん

ビデオ通話のため、例えば画像だけでは分かりにくいスマホのサイズ感などについても、オペレーターが実際に手に取ったり、他のスマホ機種と並べたりして、比較検討を容易にしたり、複雑な料金プランもオペレーターがホワイトボードなどを活用しながら分かりやすく説明することができるという。
相談後、契約希望者には契約手続きを行い、契約者には専用ページを案内し、携帯電話キャリアへ本人確認書類などをアップロードしてもらいつつ、住所などの個人情報を利用者から聞き取り、決済後にスマホ端末を郵送。機種変更の場合は端末が届いたのちに、契約者が電話連絡することで利用端末を即時に切り替える仕組み。データ移行や初期設定などの操作方法なども電話でサポートする。また、そうした設定や端末の使い方などについては1回6000円の有料で、訪問サポートも行う。

Zoomによる相談対応時間は午後6時から深夜12時まで(LINEでの予約受付時間は午前10時から午後10時まで)と、携帯電話ショップが閉店してしまう時間とし、仕事が忙しく営業時間に携帯ショップに行けなかったり、夜勤等のシフトで日中にショップに行けないビジネスマンや小さな子供がいて外出できなかったり、長時間、ショップに滞在することが難しい主婦層などを想定ターゲットとしているという。

また、実店舗での長い待ち時間を嫌い、オンラインでの申し込みを検討しているが、相談することなく1人で契約することが不安な層や、複数同時接続ができるZoomの機能を活用して例えば遠方に住んでいる親のスマホの契約をサポートするために、ユーザーと親、オペレーターの3者で同時につなぎ、話し合いながら契約の相談ができることなどから、そうした利用シーンも想定しているという。

手数料などは、実店舗の携帯ショップと同様で価格優位性はないが、「ショップに行く必要がなく、待ち時間もない。自宅にいながらまるで携帯ショップにいるかのように相談できる」(「ウチモバ」の事業責任者の中川加菜執行役員)ことが利用者にとって利点になるという。

なお、対応するオペレーターの人員は開始時点では3人で、1回の相談時間を30分程度と想定した場合、1日で48人の相談に対応できるという。今後、相談件数を見ながら随時、オペレーター数は増やしていくという。

キャリア拡大や対応時間延長、

オンラインサポートの開始も

LINE で事前に相談内容や相談日などを予約する

「ウチモバ」は今後、各種サービスを強化していく計画。開始時点ではSBのみにとどまる対応キャリアをNTTドコモとauにも広げていきたい考え。現状、ドコモとauは端末の販売・契約においてオンライン完結の非対面販売には対応していないようだが、問題となる本人確認の部分などがクリアされれば展開できる可能性もあるようでスマホ販売の繁忙期となる3月までに対応させたい考えのようだ。

また、Zoomによるオペレーターの対応時間も延長。現在は午後6時から深夜12時となっているが、9月ころをメドに午前6~10時など午前帯にも対応させていきたい考え。

このほか、契約した利用者へのオンラインサポートの実施も検討。例えば、「テザリングの仕方」や「ユーチューブに動画をアップする方法」などについて、Zoomでリアルタイムに様々な質問に対して回答するオンライン携帯教室などを有料で実施することなどを想定しているという。

事業の目標についてはまず3月までをメドに月間1000台の契約数を目指す考え。詳細は不明だが、同時期から大規模なプロモーション展開を実施していく予定。同社グループが提供中のWiFiサービス「どんなときもWiFi」ではタレントを起用してテレビCMなどを放送しており、順調に契約者数を伸ばしている模様だが、「ウチモバ」も、テレビCMを含む同規模のプロモーションを展開し、知名度アップと契約者数の拡大を図っていく考え。「ウチモバ」の初年度の目標売上高(手数料収入)は2億円を見込む。また、現状は店頭での販売が中心である大手3キャリアのスマホの契約・販売を「ウチモバ」でオンラインへとユーザーを引き込んでいくことで同社グループで展開中のMVMOなどを軸とした携帯電話を販売するスマホEC事業(※年間売上規模は35億円程度)の拡大の起爆剤として期待しており、中長期的には「(同事業の)8割強を占める程度まで『ウチモバ』の拡大させていきたい」(中川執行役員)としている。

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