12年のモバイル通販市場は18%増──スマホでショッピング進む

総務省と一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)が8月9日に発表した2012年(1~12月)のモバイルコンテンツ関連の市場規模調査によると、一般的な通販を対象とした「物販系」の市場規模は前年比17.8%増の6878億円となり、規模を拡大している。スマートフォンの普及が市場拡大の要因になっているとみられる(表①参照)。

調査を担当したMCFでは、スマホは従来からのフィーチャーフォン(ガラケー)よりも画面が大きくパソコンと同等の表現力を持っていることに加え、携帯電話の特徴である場所を選ばず簡便に利用できることからユーザー層とともに利用シーンが広がっていると指摘する。こうして点からスマホの普及がモバイル通販の市場規模拡大に寄与していることがうかがえる。

また、ユーザーからは配送のきめ細やかさ、ポイント付与、多様な商品、低価格等の総合的なサービスといったことが求められるようになっており、大手事業者への寡占化が進んでいるようだ。

ちなみに、モバイルのコマース(「物販系」を含む)とコンテンツを合わせた全体の市場規模は同23.3%増の2兆3507億円となっている。MCFによると、2012年のモバイルコンテンツ関連市場は「スマートフォンの普及によって市場に大きな変化が送っていることが顕在化した年となりました」と分析する。

そのスマホについて、ほぼ時期を同じくしてグーグルが興味深い調査結果を発表した。

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32%が買い物時にスマホを活用

グーグルが発表した調査結果は、世界各国のスマホの利用状況を国別に調べた内容になっている。同調査はグーグルが調査会社に依頼して行っているもの。年1回行っており、今回で3回目となる。2012年は調査対象国が26カ国だったが、今年は48カ国と大幅に増やしている。

各国との比較の中で日本の状況を見てみると、日本はこの3年間でスマホの普及は拡大したが、韓国やシンガポールなどと比べるとフィーチャーフォンの利用率が高くなっている。それでも、スマホは活発に利用されており、ショッピングにおいてスマホを活用する割合では、他の“スマホ普及先進国”と比べても高くなっているようだ。国別のスマホ普及率を見ると、日本は2年前の2011年にはわずか6%だったが2013年には25%にまで拡大している(表②参照)。

とはいえ、今回の調査対象国の中で最も普及率が高い73%の韓国や、それに次ぐシンガポールの72%と比べると、日本では依然としては従来からのフィーチャーフォンが主流となっているようだ(※なお、「日本のスマホ普及率が25%というのは低すぎるのではないか」との問い合わせがグーグルに寄せられているようだが、これは調査手法の違いによるものと思われる)。

次に、商品の品定めをする際にどのくらいスマホを活用しているかを国別に見てみる(表③参照)。

日本では3人に1人(32%)の割合で、ショッピング中の商品の品定めにスマホを使ったことがあると回答している。これはアメリカや韓国やシンガポール、アメリカなど“スマホ普及先進国”の国々が2割台にとどまる中で高い数値となっている。

また、“スマホ普及先進国”に比べて普及率の低い日本だが、それでも日本人のスマホ利用は非常に活発なようだ。特にテレビを視聴している際に同時にスマホを利用する割合は58%となっており、アメリカの53%やシンガポールの42%、韓国の47%といった数値よりも高くなっている。従来型のフィーチャーフォンでも見られた“テレビを視聴しながら”の利用が多いことがうかがえる。

さらに、日本は世界で最も有料アプリのインストール数が多い。1人あたり平均11.5個と今回の調査対象国の中で唯一2桁に到達している。日本の次に有料アプリのインストール数が多かったのは韓国(9.8個)、その次がオーストラリア(7.5個)と上位をアジア太平洋地域の国が占める結果となった。

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