Wed, April 8, 2020

PayPayが通販事業者への決済サービスを強化へ ――ECサイト、商品代金請求書の決済に対応

通販事業者への決済サービスを強化していくと説明する PayPay の中山社長(1月17 日開催の記者発表会の様子)

ソフトバンクグループのグループ会社でスマートフォン決済サービス「PayPay」を展開するPayPayは通販実施企業への決済サービスを強化する。2019年からヤフーの仮想モールなどグループ内の一部のサイトで導入を始めたPayPayのオンライン決済サービスを今後、外部の通販サイトへ本格的に広げる。同社によると今春以降、ジャパネットたかたなど大手通販企業の通販サイトが順次、導入する意向という。また、通販各社の商品代金の振込用紙のバーコード決済にも対応。スマホで記載のバーコードを読み取ることで決済が完了するもので、キューサイなどが導入を始めている。

PayPayは2月から大手外食チェーン店で食事代金をPayPayで決済した際、40%分を還元するキャンペーンを展開するなど実店舗向け決済の拡大に今後も注力していく一方で、ネット販売や通販事業者の商品代金振込用紙の決済などにも対応していくことで、実店舗以外の領域でも加盟店や利用者を増やし、決済総額の拡大につなげていく意向のよう。今春からは後払い決済など金融サービスにも着手していく考えでさらに事業規模拡大を狙っていく考えだ。

ロコンドらがオンライン決済を導入

PayPayは実店舗でのスマホ決済のほか、2019年6月から通販サイトの決済への対応をスタート。現在、ヤフーが運営する仮想モールや競売サービスのほか、アスクルの通販サイトなどグループ内の一部のサイトに実装しているが「(グループのサイトに導入したオンライン決済の決済回数などの)出足は順調で手ごたえを感じており、いよいよオンライン決済にアクセルを踏んでいく。ますますPayPayを生活に密着したサービスにしていきたい」(中山一郎社長)とし、2020年からグループ外のネット販売事業者へもPayPayのオンライン決済サービスの導入を強化していく考えを示した。

同社によるとジャパネットたかたやZOZO、ロコンド、石橋楽器店、夢の街創造委員会、シード、イートアンド、さくらトラベルなどが今後、自社の通販サイトにPayPayのオンライン決済を導入する予定だとしている。

なお、具体的な開始時期については「導入時期はまだ確定していない」(ジャパネットホールディングス、ZOZO)などとしているが、PayPayよれば、3~4月以降をメドにPayPayのオンライン決済に対応するSBペイメントサービスやGMOペイメントゲートウェイ、ベリトランスなどの決済サービスプロバイダやEストアーやフューチャーショップなどのショッピングカート事業者を経由して申し込みをした通販企業の通販サイトに順次、導入していくようだ。

1月から通販の請求書払いも

また、通販事業者が商品購入客に送付する商品代金の振込用紙の決済への対応をスタート。振込用紙に記載されたバーコードをPayPayの専用アプリを立ち上げ、読み取ることで決済ができる仕組み。2019年9月から開始している水道代や電気代といった公共料金の請求書の決済に対応した「PayPay請求書払い」の機能を1月17日から通販事業者の請求書にも対応させたものだ。なお、同機能で決済した顧客は、商品代金をPayPayで決済した場合と同様、請求書払いでの支払額の0.5%分のPayPayの電子マネーが還元する仕組み。

スタート時点ではディノス・セシール、キューサイ、やずや、わかさ生活、長寿乃里、さくらフォレスト、小豆島ヘルシーランド、イング、久原本家、ベルネージュダイレクトなど27社が導入。1月中には合計で約80社が導入予定しているという。

40%還元キャンペーンを開催

大手外食チェーンでの飲食代金をPayPayで決済すると40%を還元する 大型キャンペーンを2月から実施する(各外食チェーンの幹部とPayPay の中山社長=前列中央)

「PayPay」は2018年10 月からのサービス開始以降、様々な大型キャッシュパックキャンペーンや全国、20カ所に拠点を設置した積極的な営業活動による加盟店舗の開拓などが奏功し、登録利用者数は1月17日現在で約2300万人、加盟店数は185万カ所、月間(2019年12月)の決済回数は1億回と順調な拡大を見せ、競合のスマホ決済サービスを凌駕しているよう。ただ、同社によるとスマートフォン全体利用者数が7000万超であり、また、独自調査による「PayPayを利用したい」という意向を示したユーザーが3100万人いるという結果から「未利用者は多く、ユーザー数は今後も拡大する」(中山社長)とし、2月1日から同29日まで吉野家や松屋、すき家などの牛丼チェーンほか、日高屋、はなまるうどん、サーティーワンアイスクリームなど大手外食チェーン、全国6500店などでの飲食代をPayPayで決済すると40%分、ヤフーの有料会員「ヤフープレミアム会員」は50%分を還元( 1 回上限500円、期間中上限1500円)する大型キャンペーン「全国6500店舗以上の有名飲食チェーンで『40%戻ってくる』キャンペーン」を展開するなど引き続き、実店舗店頭の決済の利用者や決済回数を増加させる施策を展開していくが、それに加え、オンライン決済や請求書払いなどにも対応し、PayPayの利用シーンの拡大を図り、新規利用者および決済回数の拡大を進めていきたい考えだ。

後払いなど金融サービスにも着手へ

大手外食チェーンでの飲食代金をPayPayで決済すると40%を還元する 大型キャンペーンを2月から実施する(各外食チェーンの幹部とPayPay の中山社長=前列中央)

PayPayでは今後、「せっかくスマートフォンを使ったビジネスを提供しているわけで、単機能の決済アプリではなく、暮らしに欠かせない様々なサービスを提供する多機能の『スーパーアプリ』を目指す」(中山社長)方針で決済分野だけでなく、PayPayのアプリをプラットフォームに今後、金融サービスにも着手する考えだという。

具体的には後払い(リボ払い)など、現状の決済サービスに近い分野のほか、個人向けおよび事業者向けのローン、投資、保険などを構想しているようで自社単独でのサービス構築に固執せず、「私たちからのプロダクトアウトではなく、ユーザーにとって一番良いサービスをスピーディーに展開したい。そのために自社、他社問わず、マルチパートナーで各金融機関と連携し、サービスを展開したいと考えている。最もユーザーにとってよい金融サービスを展開している会社と一緒にやってきたい」(中山社長)として、PayPayアプリ上で申し込みから審査までをすべて完結するような利用者にとって利便性の高い仕組みで早ければ今春にもまず一部の金融サービスからスタートし、2020年中には構想中の金融サービスをすべて開始したい考えだという。

波に乗るキャッシュレス決済がどこまで普及するのかは不明だが、少なくともPayPayはしばらくはソフトバンググループの総力を挙げて大型キャンペーンなど展開し、さらに利用者の拡大に注力していく模様。また、ヤフーとLINEの経営統合が成れば、スマートフォン決済ではPayPayの独壇場になることは間違いない状況だ。利用者が多ければその決済サービスに対応しておく必要があることに加え、キャンペーンなどで得たPayPayの電子マネーをフックに新規顧客の取り込みなどが期待できる可能性もある。通販事業者はPayPayという決済手段の行方を注視しておく必要がありそうだ。

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