Sun, March 29, 2020

インフルエンサーで仕掛ける!

ソーシャルメディアが日常に浸透している今、SNSプラットフォームなどで発信力を持ったインフルエンサーが数々と誕生している。インフルエンサーは特定の層のファンを持ち、影響力は大きい。そこに着目した企業とのコラボレーションも生まれている。果たしてインフルエンサーマーケティングに可能性はあるのか。各社の取り組みを見ていく。

SNS時代のマーケティング手法の可能性とは?

【事例① ZOZO】

「旅」を軸に女性5人が特別アイテムを限定販売

ZOZO では「旅」を軸にして「インスタグラム」のインフルエンサー5人を起用した企画を実施した

ZOZO では「旅」を軸にして「インスタグラム」のインフルエンサー5人を起用した企画を実施した

ZOZO(ゾゾ)は11月23日、ファッション通販サイト「ゾゾタウン」上で予約販売を行った。同社が仕掛けた24時間ごとに売り出す商品を変えていく特集「24HOURS」の一環として、「旅」を楽しむ「インスタグラム」のインフルエンサー5人を起用して特別アイテムを打ち出す企画を実施。5人はすべて女性で、合計するとインスタグラムのフォロワー数は約35万人にのぼる。5人のインフルエンサーがそれぞれの目線や感覚でアイテムを考案し、インスタグラムで告知を行った。この取り組みはゾゾタウンの新規顧客の開拓にもつながり、一定の成果をあげたようだ。

旅の感性を生かしてモノを作る

「各地を旅していろいろなものを見て体験した感性を使ってモノを作ると面白いのではないかと考えた」。旅のインフルエンサー企画を仕掛けた同社EC事業本部の宮田恵利氏は企画の経緯をこう説明する。宮田氏自身がいろいろなところへ旅するのが好きということもあり、インスタグラムでいくつかのアカウントを見ていたという。インフルエンサーは旅先での投稿が多く、ファッションセンスも高かった。「このセンスを使ってアイテムに落とし込めば、それぞれのフォロワーさんと、ゾゾタウンユーザーの双方に刺さると思った」(宮田氏)というわけだ。

SNSの普及に伴い、旅先で頻繁に投稿を行って多くのフォロワーやファンを抱える「プロトラベラーR」と呼ばれる人々が現れた。宮田氏が気になった人の中にもそうしたプロトラベラーを経て活動している人もいた。そして旅を軸にしたインフルエンサーの企画を行うにあたって選ばれたのが5人の女性たちだ。キャンプの写真を公開するYURIE(ユリエ)さんや、プロトラベラーを経てアパレルブランドのディレクターを務めるMOYA(モヤ)さん、ネイリストとしても活躍するMinamiShikada(ミナミ・シカダ)さん、そのほかにaiai(アイアイ)さん、Chikako(チカコ)さんといった面々で企画を仕掛けることになった。

ストーリーズでアンケートも

夏ごろから商品開発に向けての準備が始まった。商品を作る上で「各自の感性を尊重したかったため、こちらから細かな注文はつけていない」(宮田氏)とのことで、あくまでインフルエンサーの5人が主体となって商品を考案していった。中には、インスタグラムの機能で24時間限定で公開される「ストーリーズ」を使い、フォロワーにアンケート形式でほしいアイテムをヒアリングするケースもあった。商品開発にあたってはインフルエンサーとZOZOとの間で打ち合わせをする必要があるが、5人はそれぞれ旅をしていることが多く、頻繁に会うのが難しかった。そこで画像共有サービス「ピンタレスト」を使い、思い描くアイテムのイメージに近い商品や世界観を双方ですり合わせた。こうしたイメージの共有により商品を具体化していった。その結果、ボアサコッシュやダウンコート、ハンドバッグ、ワンピース、ミリタリージャケット、長袖Tシャツなど合計9点のアイテムが投入されることになった。これらは「The_LABEL(ザブランクレーベル)」というショップでゾゾタウン限定での販売となった。

ファンと既存客の双方が購入

企画した商品の写真もインフルエンサーたちが撮影。通常のプロモーション 写真とは異なる独特な見せ方になった


インフルエンサー5人による限定アイテムを売り出すにあたり「事前告知が肝になると思った」と宮田氏。それぞれのファンであるフォロワーに事前に少しずつ告知することで、ワクワク感を演出し、これが当日の販売につながると考えた。

インフルエンサーも各自が事前に商品の構想を発信したり、途中経過を報告するなどしてさまざまな方法でフォロワーに情報発信を行った。そして迎えた予約販売日の11月23日には、インスタグラムのライブ配信機能「インスタライブ」を使って、売り出す服を着てみせたり、フォロワーの質問に答えるなどして各自が商品の訴求に力を注いだ。

ZOZOとしては、まだゾゾタウンを使っていない新規顧客の初回購入を促し、よりファッション好きを育てるというのが狙いだった。今回の取り組みでは結果的に、各インフルエンサーのファンとゾゾタウンの既存ユーザーの双方から購入されたようで、アイテムによっては受注上限に達したものもあったとのことで、一定の成果につながったもようだ。今回の企画で旅のインスタグラマーや元プロトラベラーである5人のインフルエンサーを起用した理由の1つに、彼女たちが投稿する画像のクオリティもある。商品を販売する際に、商品ページの画像もインフルエンサーに依頼した。そこでの独自の見せ方も、通常の商品プロモーションでは見られない切り口があり、そこは狙い通りだったようだ。

購買に意欲的かを見極める

企画の仕掛け人である ZOZO の EC 事業本部に在籍している宮田恵利氏


宮田氏によると、インフルエンサーが抱えているフォロワー数と、商品の実際の売れ行きは必ずしも比例するわけではないという。つまり、多くのフォロワーがいるから多くの商品が購入されるとは一概に言えないというのだ。そうなると、ファンであるフォロワーが、購買にどの程度意欲的であるかを見極めていくことも、インフルエンサーマーケティングを行う上で重要なポイントになってきそうだ。そのためには、インフルエンサーが日々発信している投稿に対するコメントの内容を見ることも1つの手段だと宮田氏は説明する。例えば何かの服を着ている投稿に対して、「可愛い」という感想だけなのか、あるいは「それはどこで買えますか」などの購入意欲の高いコメントがあるのかも細かく見ることで、企業が目指すマーケティング戦略に合うインフルエンサーかどうかを見極めるヒントになるかもしれない。

[ この記事の続き... ]

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