【EC動向】コーセー、通販専業子会社を設立

コーセーが通販事業を展開する新会社を設立し、12月1日から事業を開始する。すでに既存ブランドの一部でネット販売を展開しているが、今回は通販専業の新会社。さらには、通販市場で激戦区にある30代女性をターゲットに展開し、「5年をメドに売上高100億円をめざす」(同社)と、大きな目標をぶち上げることからもコーセーの〝本気度〟が窺える。知名度のある大手の参入により、通販市場の競争はより激化することになりそうだ。

コーセーが今年8月に設立した通販専業の新会社は「プロビジョン」。コーセーの100%出資子会社で、資本金は3000万円。

代表に就任した山崎秀樹氏は1991年にコーセーに入社した後、97年にコーセー化粧品販売の営業企画部に配属、06年には同部の室長となるなど営業畑一筋に歩んできた人物のよう。2011年にコーセーの経営企画部室長に就任、今回の代表就任を迎えている。

プロビジョンでは第1弾商品としてスキンケアブランド「AQUALIVE(アクアライブ)」を展開する。

アクアライブは「アクア(水)」と「アライブ(活き活きと、活動的な)」を掛け合わせた造語。アーリーアンチエイジングをコンセプトに、クレンジングや洗顔料、化粧水など9品目13品種(税込1345~2310円)を展開。ハリや弾力、透明感を求める30代の女性をターゲットに展開する。

同世代をターゲットとしたのは、ネットとの親和性が高く、また、仕事や出産後の育児などで忙しく、店頭に買いに行く時間がない女性層を想定したため。ネットを軸に展開するが、新聞や雑誌広告、折り込みチラシなどあらゆる媒体広告を検討している。受注手段もネット、ハガキ(郵送)、電話を予定する。

コーセーでは「ジルスチュアート」「アウェイク」など企業ブランドを前面に打ち出さず、独自色の強いブランドイメージを築いているものの、流通基盤の弱かった2ブランドですでにネット販売を展開している。

「アクアライブ」についても「『コーセー』という企業価値ではなく、ネットで購入するスタイルを嗜好し、企業ではなくモノとしての価値を評価する層に向けてダイレクトにPRしていく」(同社)ことを目的として新会社を通じた展開を選択した。

国内化粧品市場の横ばい推移が続く中、通販市場はGMSを抜き、ドラッグストアに次ぐ第2位の市場に台頭している。コーセーはこれまでカウンセリング販売を主体としてきたが、今後の事業拡大を見据え、通販市場に本格参入する。

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