第25回 ネット有力EC300社の販売白書

 第25回目となる本誌によるネット販売企業の売上高調査「ネット販売白書」の結果では、ネット販売(BtoCの物販)実施企業上位300社の合計売上額は9兆1881億円となった。前年調査の8兆4406億円に比べて8.9%拡大した。物価高が継続する中でも、大手仮想モールを中心に販売が好調に推移している。

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商材別 EC 市場分析 総合・日用品
成長率鈍化もアマゾンの断トツ首位は変わらず

 様々な商品を販売する総合・日用品EC事業者で首位となったのは引き続き、アマゾンジャパン。直近売上高(2024年12月期)は売上高は前年比13.0%増の4兆1531億円だった。直販の強化に加えて前年から引き続き、効率的に流通総額を引き上げることができる外部事業者が出店して商品を販売する仕組み「マーケットプレイス」への出店誘致に注力、新規出店者の獲得を推進し手数料収入拡大につなげているよう。

 また、24年6月には直販の「アマゾンフレッシュ」とスーパーマーケット各社と組んで展開中の最短2時間で配送する生鮮品を含む各種商品を販売するネットスーパーサービスの対象顧客の制限を撤廃。これまでは有料会「Amazonプライム会員」のみを対象としていたが、非会員の一般ユーザーも送料を多く徴収する代わりに利用できるようにした。提携先スーパーも拡充。ライフコーポレーション、バローホールディングス、成城石井、アークスといったすでに連携する各地のスーパーマーケット各社に加えて、同9月からは北部九州で展開するマルキョウを傘下に持つリテールパートナーズと組んで、これまで展開していなかった福岡での生鮮品ECを開始するなど伸びしろのある生鮮品ECのテコ入れも進めている。

 新たな取り組みも積極的に展開。同4月からNTTドコモのポイントサービス「dポイント」をアマゾンの通販サイトで貯めたり使ったりできるようにする取り組みを、同7月には薬局向け処方薬販売支援サービスでアマゾンのアプリ上で顧客が指定した薬局の薬剤師がビデオ通話で服薬指導を行った上で処方薬を当該薬局が顧客宅まで配送する「Amazonファーマシー」を、同12月には運営する通販サイト内で「Amazonふるさと納税」を開始している。

 また、同4月には首都圏への物流サービスをさらに強化・カバーすべく神奈川・相模原に大型物流拠点を新設したほか、大型物流拠点からの配送品を集積して顧客宅まで配送する最終配送拠点である「デリバリーステーション」を各地で新設。同8月からは全日本空輸の旅客機の空き貨物スペースを活用して羽田から北海道まで商品を北海道まで空輸する取り組みを始め、それまで受注から顧客への配送完了まで2日以上かかっていた北海道の顧客への配送時間を短縮するなど、物流投資も引き続き強化しており、今後の展開でキモとなる物流にも抜かりなく手を打っている。

 とは言え、売上高の伸び率は2年前の調査は前年比26.5%増、昨年調査では同13.8%増、今回調査では13.0%増と鈍化傾向にある。今後の展開が注視されそうだ。

アイリス、ショップチャンネルにも注目

 アマゾン以外で注目されるのは2位につけたアイリスプラザ。生活用品の企画・製造・販売を行うアイリスオーヤマグループで通販事業を行う子会社だ。グループの圧倒的な商品の企画開発力を活かして家電や食品、家具、ペット用品、日用品など5万点以上の商品を通販サイト「アイリスプラザ」で販売、会員数は400万人を超え、順調に売り上げを拡大している。なお、2025年3月からは「アイリスプラザ」で直販に加えて、他社からの出店を促すマーケットプレイス機能を追加するなどし、さらにECの攻勢を強化している。3位の通販専門放送局を運営するジュピターショップチャンネルはテレビでなく主にインターネットで商品を選び、購入する既存顧客も増えたことやテレビをあまり視聴しない層の新規顧客獲得のためにEC強化に本腰を入れている。社員らが販売する商品を使ったコーディネート画像を紹介・提案する取り組みや通販アプリの強化などを推進し、これらが徐々に結果を出し始めている。25年からはテレビ依存しない新たなECビジネスとして「うちのね、」「CanauBi(カナウビ)」という2つのソーシャルコマースサイトを立ち上げ、ECの強化をさらに進めている。

総合順位1〜300位、商材別 EC 市場分析〜 衣料品:有店舗アパレルの存在感が高まる、化粧品:国内 EC、店舗回帰で競争環境は激化、健康食品:EC 市場へのシフト鮮明も、競争は激化、PC・家電:ヨドバシ増収、ビックは「送料無料」で反転へ、食品:オイシックス・ラ・大地がトップも、サービス巡る競争激しく、「識者に聞く 2025 年の EC 市場」山﨑徳之 ZETA 代表取締役社長CEO:顧客体験高めるための施策が鍵 流入増える生成 AI 対策は必須…等々が本誌に掲載されています。ご購入はこちら >>