ファーストリテイリングでは、海外事業においてECの販売が成長している。各国の都市部での旗艦店開設が、周辺地域でのブランド認知向上につながり、ECへの送客にも効果をもたらす好循環が続いているようだ。
同社の2025年8月期における海外事業は、現地通貨ベースでの業績で売上収益が前年比約13%増、事業利益が同約12%増となり、過去最高の業績を達成した。成長の背景には現地メディアでユニクロ商品が取り上げられる機会が増えたほか、顧客からのSNS発信による情報拡散が進み、認知拡大に大きく寄与するというケースが見られているとする。
また、現在、海外の主要都市には旗艦店が40店舗以上あり、それらの旗艦店が情報発信のメディアとなることで、各地域の店舗だけでなく、ECへの販売がさらに拡大するという効果が見られている。
地域別の状況では、まず、グレーターチャイナ(中国地域)に関して、9月から華北地域での販売が強いとされる「ジンドン」との協業を開始したことで、ECの客数が前年同月比で約40万人増加した。現状、中国大陸での新規ユニクロ会員は約1350万人で、その内、4割以上は18歳~29歳の若年層となっている。SNSで発信した商品情報を顧客が拡散し、商品が評価されることで、「ジャージーバレルレッグパンツ」や「バギーカーブジーンズ」などの商品が拡大した。
東南アジアについては、9月より統括するCEOを新たに配置。各地域にマッチした商品構成の充実をはじめ、マーケティングや店舗・ECのオペレ―ション改革に取り組んでいる。
欧州に関しては新規に出店することでECの販売が2倍、3倍に拡大する効果が見られているとする。今期についてはミュンヘン、フランクフルト、バーミンガムなどの新規都市に出店する予定で、ECのさらなる成長を見込む。
北米についても新規出店がECの売り上げを押し上げる効果があり、直近ではテキサスなどでその傾向が見られている。今後は未進出の都市への出店を加速させることで、より広範囲に事業を拡大していく。商品面では米国CEOがグローバルの商品開発責任者に就任しており、欧米発の世界中で売れる商品開発を強化していく考え。
なお、10月9日に開催した決算説明会では、ユニクロの塚越大介社長COOがECについて触れ、「ECが伸びれば、配送や返品の問題、サイトの検索のしやすさ・しにくさなど色々な意見を(顧客から)もらう。継続的にチャレンジするのはこうした不満を解消していくこと。これなくして成長はない」と語った。
柳井正会長兼社長も「リアル店舗とバーチャルのECと総合して、顧客が『ユニクロとは何か』を来た時に感じてもらうということを実現するための商業活動が我々の活動」とした。