ファッションレンタルサービス「airCloset」を手がけるエアークローゼットは昨秋に実装した、生成AIによる対話型ファッションカウンセリングシステム「Aiスタイリストアシスタント」が成果をあげている。同機能は、顧客から寄せられたファッションの好みやリクエストなどの情報をAIが把握し、対話を通じてコーディネート方針をすり合わせるというもの。顧客との対話を高精度で自動化し、業務効率化と初回満足度の向上を図る。
「エアークローゼット」では、初回登録時に、顧客に好みのテイストやライフスタイルなどの情報を入力してもらい、その内容をもとにスタイリストがコーディネート方針を立案、確認メッセージを送付することで、利用開始前に方向性の擦り合わせを行っている。従来はこのプロセスをすべて人の手で行っていたため、十分な情報共有が難しい、スタイリストごとに解釈の違いが生まれるなどの課題があったという。「AIスタイリストアシスタント」では、スタイリングを行う前に、AIがカルテの矛盾点などを指摘してくれるため、コーディネート方針における齟齬を解消するのに役立つとした。「従来、スタイリストによる初回ヒアリングはワンラリーしか行えなかったが、今回AIを用いたことで、顧客が納得できるまで複数回対話が行えるようになった」(同社)。
昨年10月9日の導入からの成果については、「人力による初回ヒアリング工数がゼロになったのは大きい。精度面の向上や離脱率への影響は、導入からの期間が短く、複数要因が絡み合うのでまだ分析段階にある」(同)とした。
なお、同機能はスタイリストがコーディネートを組む前の、初期コミュニケーション部分のみを自動化したものであり、実際のスタイリングについては、これまで通りスタイリストが個別に対応していくものとする。「顧客の要望に合わせて適切なコーディネートを提案するには高い専門性が求められるため、現時点でAIがスタイリストの役割を代替するのは難しい」(同)。
同機能は、同社のデータサイエンスチームと、明治大学の高木友博教授率いる高木研究室との共同研究の成果を社会実装したもの。同社は2017年より高木研究室と産学連携による取り組みを行ってきた。「企業の実データと学術機関の先進技術を融合することで、AI活用含め、事業効率化や体験価値向上につながる仕組みを作れるのではないか。今後も産学連携を進めていきたい」(同)という。