キューサイは10月から新サービス「myme(マイミー)」を始めた。パートナー企業を募り、ウェルエイジングの実現に向け、生活習慣に関わる多様な情報、製品・サービスを提供するプラットフォームを構築する。
生活習慣提案する共創プラットフォーム
2030年を最終年度を最終年度とする中期計画では、24年比で約3割増となる330億円の売り上げを目指している。新サービス「マイミー」も将来的な中核事業への育成を視野に始めた。収益事業としての位置づけを前面に打ち出すものではないが、パートナー企業と共通データで社会にメッセージを発信しながら、「ウェルエイジング文化の醸成の観点では、将来的に売り上げの約10%の規模(24年実績で約25億円)が当社、社会への事業インパクトの目安と思う」(山田淳史副社長)と話す。
〝共創〟による展開で、生活者へのサービスの浸透を図る。現在は、β版を展開。26年中に運用の本格化を予定する。また、現在はPC上に構築したプラットフォームで展開するが、将来的にはアプリの提供も検討する。
「マイミー」は、生活習慣の提案と商品・サービスの両面からアプローチするモデル。顧客データ等をもとにAIが生成した〝未来の自分〟との対話を通じて適した生活習慣、商品の提案を行う。ユーザーがアンケートに答えることでエイジングの進行の程度を把握し、必要に応じて遺伝子検査も提供する。健康行動アプリや医療機関等による指導より親しみが感じられるとみる。
パートナー企業募り展開
商品は、雑貨や美容、リラクゼーションサービス、フィットネス、趣味や旅行などライフスタイル関連で、パートナー企業を募り、共創プラットフォームを構築する。現在は、17社が参加。将来的に300社の参加を目指している。商品数も現在は51商品だが、3年をめどに500商品までラインアップを広げる。
パートナー企業は、「商品提供」、「サービス連携」、「健康経営等の導入企業」で募る。強みを持つヘルスケア・スキンケア領域を含め、ウェルエイジングの観点から選択する。パートナー企業には、新たな顧客接点、テスト販売、ユーザーの関心や購入、リピート等を実証できる事業機会を提供する。自社によるプロモーションやパートナー企業との連携により、29年中をめどに800万人に登録案内を行う。
キューサイは、これまで健康食品や化粧品を中心に、「単品通販モデル」で事業展開してきた。約46万人の顧客基盤を築き、インフォマーシャルに強みを持つ。ただ、既存モデルだけで「(中期計画の)達成に向けた成長は難しい」(石川順朗社長)とみる。持続的な成長に向け、中計では同モデルからの脱却を進める。
単品通販モデルから脱却へ
キューサイは中期計画の中で、単品通販モデルからの脱却を目指し、マルチチャネル化、マルチプロダクト化を進めていた。近年はドラッグストア販路の開拓にも注力してきた。ヘルスケアで約1万店舗、スキンケアで約4000店舗に流通する。商品数は、800SKUを超える。
24年12月期の売上高は約255億円。今期売上は260億円半ば、利益は5.4億円の上積みで増収増益を見込んでいる。
「マイミー」では、コンセプトをウェルエイジングに絞り、専門性の高い新たな価値創出を目指すことで、大手プラットフォームと差別化を図るとみられる。2025年問題を背景にした年齢にネガティブな感情を持つ「セルフエイジズム」について「消費、労働、社会活動の意欲減退につながる」(同)と社会課題と捉える。
ウェルエイジングを意識した商品・サービスの市場を7400億円と試算している(22年、自社調べ)。生活者は年間約13万円をウェルエイジングにかけると試算する。石川社長は、「単なる新規事業ではない。人が前向きに歳を重ねる世界を実現するという社会課題への取り組み。ウェルエイジングNo1企業を目指しチャレンジしたい」と意気込む。