TikTokShopが都内でマッチングイベント――約60社出展、ヨドバシやアイリスなど著名企業も

 動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」のEC機能「TikTokShop」を提供するTikTokShopJapanでは3月18日、都内でメーカー・販売店と動画投稿者とのマッチングイベントを開催した。ファッション、美容関連、日用品、ホーム&リビング、家電のカテゴリーから、メーカーや販売者などの事業者は60社超、動画投稿者は約240人が参加した。

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セミナーやセッションも開催

 イベントには、ヨドバシカメラやアイリスプラザ、富士フイルムなど著名企業もブースを出展。各社が商品を展示し、動画投稿者と交流した。当初は20社限定だったが、出展を希望する事業者が多かったことから、最終的には60社以上が参加した。TikTokは若年層の利用が中心だが、今回のイベントではターゲット層に偏りが出ないよう、事業者、動画投稿者共にさまざまなジャンルから選定したという。

 イベント開始時には、TikTokShopJapanの邱開洲ゼネラルマネージャーがあいさつ。「私たちが目指す、楽しく自然なショッピング体験を作るには、ブランド・ショップの力とクリエイターの力が欠かせない。この2つをつなぐプラットフォームがTikTokShop。今日のイベントは、新しい出会いを生み出す場だ」と述べた

TikTok Shop Japan の邱開洲ゼネラルマネージャー
特別セッションも開催(左から 2 番目が「595 ちゃんねる」、左から 3 番目が「世奈」、左から 4 番目が「燕ちゃんねる」)

 また、TikTok公式パートナーである、いつも、studio15、TORIHADA、PLAN-B、Offbeatの5社が登壇。セラー運営やコンテンツ設計、クリエイター育成、売上導線設計など、多角的な視点に基づいた売上アップに直結するノウハウが、具体的な事例とともに紹介された。その他、特別セッションとして、TikTokShopで実績を挙げている動画投稿者「燕ちゃんねる」「世奈」「595ちゃんねる」が登壇。それぞれの視点から、TikTokShopで成果を出し続けるための秘けつや、今後の展望などについて語った。

「国内企業前面に」要望も

 昨年10月に再出発したばかりの、「イーザッカマニアストアーズ」を運営するズーティーでは、「まだまだ今まで買ってくれていたユーザーに、サイトが再オープンしたことを気づいてもらえていない」(石川直子氏)という。ユーザーへの告知と、新規顧客獲得を目的としてTikTokShopに参入した。石川氏は「もっといろいろな人にショップを知ってもらうため、イベントに参加した。当社を知らない動画投稿者ともたくさんコミュニケーションを取れたし、何人か動画投稿者からは具体的なコラボの話をもらえたので、それに向けて早急に準備していきたい」と手応えを口にする。TikTokShopそのものは「楽天市場店などに比べると、全く売れていない」(石川氏)というが、「扱う商品がまだまだ少ないので、動画投稿者やユーザーの声も店舗に反映させながら取り組んでいきたい」とする。

 「アットライズ」を運営するライズクリエイションでは、「昨年7月にTikTokShopへ出店したが、思った以上に売れている」(中村信哉代表取締役)。まな板やせいろ蒸し器などのキッチン用品が好調だ。商品紹介動画は自社で撮影しており、700万回再生されたものもあるという。とはいえ「まだまだTikTokでの認知度は低いので、こうしたイベントに参加することで高めていきたい」(同)。自社で動画を作成する場合、どうしても一般的な商品紹介に終始しがちなことから、「動画投稿者には独自の世界観や特色を出してもらいたい」と期待を込める。

美容・健康関連機器などの企画・販売を手がけるMTGでは、美容ブランド「ReFa(リファ)」の商品を展示。ダイレクトマーケティング事業本部の土屋勇貴グループリーダーは「動画投稿者と良い出会いがあればと思い、出展した。商品価値が伝わるきれいな動画で、もっと商品を広めてもらえれば」と話す。TikTokShopについては「もっと数字のインパクトが欲しい。認知拡大だけなら良いかもしれないが、ショップとして運営を継続するには、プラットフォーム全体で売り上げを増やしていって欲しい。(TikTokShopは)ブランディングが重要な時期だと思うので、消費者にうさん臭い印象を持たれないよう、国内のメーカーやブランドが前面に出ている状態にしたほしい」と注文をつける。

 医食同源ドットコムでは、カップの麻辣湯(マーラータン)などを展示。「動画投稿者がTikTokShopで当社の麻辣湯を取り上げてくれた効果で、コンビニエンスストアやドラッグストア、スーパーでの採用が増えたほか、売り上げにもつながっている」(マーケティング部の舩木零良次長)という。今後も新商品のプロモーションなどに活用していく方針だが「同じ動画投稿者に紹介してもらうケースが多いので、TikTokShopの認知度を高めることで、もっと動画投稿者を増やしてもらいたい」(同)と要望する。

 一方、イベントに参加した動画投稿者からは「自分が持っている商品も出展されていたが、知らなかった機能や特徴について、担当者から直接聞けたので非常に良かった。これまでとは違う目線で動画が作れる」「『こんな商品があるんだ』という気付きがあった。うまく動画を作れば、消費者の購買意欲を引き出せるのではないか」「量販店には置いていない商品もあり、思ったより品質が良かった。触れてみてこそ商品の良さがが分かり、紹介しやすくなるので、参加して良かった」「40代以上の男性がフォロワーの中心なので、さまざまな層に刺さる商品があればもっと良いのではないか」といった声が聞かれた。

 TikTokShopJapanでは、イベント後のコラボ増加やアフィリエイト売り上げの増加など、定量的なデータをもとに、同様のイベントを今後も開催するかどうかを決めるという。

26年流通額は1200億円超か

 TikTok関連で広告代理店・プロダクション事業を手掛けるstudio15の市場予測によれば、TikTokShopは月平均1.5倍のペースで成長を続けており、2025年(6カ月)の流通総額は150億円、26年は約1283億円に達するという。

 また、TikTok全体のメインユーザー層と比較し、Shop利用者においては35~54歳の女性比率が高い。特に日中のライブ配信を通じた購買行動が活発であり、生活に密着した商品が選ばれる傾向にあるようだ。カテゴリー別シェアでは、アパレルが30.3%と最大。次いで美容家電・コスメ(19.8%)、家電・ガジェット(23.7%)と続き、これら上位3カテゴリーで市場全体の6割を超えている。一方で、食品・飲料カテゴリーがじわじわと伸びてきているのも特徴だ。

約 240 人の動画投稿者が来場した

 studio15の岩佐琢磨社長によれば、TikTokShopの購入経路は、ライブ動画経由・動画経由・ショップページから直接の3種類。「ライブ動画からが最も多いが、ショップページから購入する人も2割程度いる」(岩佐社長)という。

 TikTokShopでは、日本市場の垂直立ち上げを目指し、かなりの販促費を投入しているもようで、TikTokが原資を負担してばらまいているクーポンなどを活用すれば、ユーザーは「(競合モールなどと比較して)最安値」で購入することも可能だ。

 岩佐社長は「TikTokShopへの対応は各企業によって温度差がかなりある印象だ」と前置きした上で、「まだ多くのセラーが参入してないので勝ち筋は作りやすい。一番安くなる価格設定をした上で、自動運用型広告ソリューション『GMVMAX』を上手に活用し、データドリブンでPDCAサイクルを回せば成功パターンを作ることができるはずだ」と話す。