物流センター・拝見 ~ECを支える物流拠点の最新事情を探る~ 第18回 船橋セントラルキッチン(mitaseruJAPAN)

 三井不動産グループで冷凍食品のECを展開するmitaseruJAPANは7月29日、千葉・船橋に商品の製造と保管、発送を行う新拠点を開設した。冷凍倉庫を併設し、床面積は大阪に構える製造拠点の2.5倍に拡張した。顧客の6割を占める首都圏のサプライチェーンを構築する。稼働開始は今秋を予定している。

 竣工したのは「船橋セントラルキッチン」。敷地面積は666m²で、延べ床面積は263m²となる。三井不動産が展開する物流施設「三井不動産ロジスティクスパーク船橋(MFLP船橋)」内に構えた。投資コストやコスト回収時期は非公表。

 製造拠点は大阪に続いて2カ所目となる。生産能力と物流能力を向上するほか、自然災害や突発的な物流網の混乱時などに安定した商品供給を実現できる事業基盤の構築をめざす。

 セントラルキッチン内は調理を行う加熱室とパックに詰める充填室、在庫管理を行う冷凍保管室を設けた。受注データにあわせてオリジナルのダンボールにピッキングし、シュリンク包装後にヤマト運輸に引き渡す仕組み。

 加熱室では専属のシェフが手作りし、少量多品種を製造する。手作りにこだわる方針で、稼働時間の延長や効率化を図りながら製造量の拡大に対応する。

「船橋セントラルキッチン」の敷地面積は 666m²で、延べ床面積は 263m²となる

 充填室では内容量が均等になるよう、具材の個数やグラム数を確認しながらパッキングする。パッキングした商品は急速冷凍庫で鮮度を保ったまま凍結し保存する。急速凍結機はブラストチラーを採用した。

充填室では内容量が均一になるようパッキングし、急速冷凍機「ブラストチラー」で凍結し保存する

 冷凍保管室は凍結後の商品をケース単位で保管、管理する。室内はマイナス25度に設定する予定で品質を保つ。今後の需要拡大を見込み、既存の大阪の製造拠点で製造した商品の保管場所としても活用する。

 ヤマト運輸との連携を強化して物流網を構築した。首都圏の物流ターミナル拠点に直接輸送する体制とし、営業所を介さず輸送することで配送件数の増加に対応したい考え。

 プレミアム冷凍グルメ「mitaseru」は24年に事業を開始し、現在は飲食店57店舗の112商品を取り扱う。既存の大阪のセントラルキッチンは保管スペースがなく、営業所での取り扱い量に限界があったという。

シュリンク包装後にヤマト運輸に引き渡す

 目標売上高は2030年に50億円を掲げる。25年度の売上高は前期比約3倍以上に拡大。今期も2倍以上のペースで伸びているという。30年に参画店舗数は100店舗をめざしており、今後も三井不動産が運営する商業施設のテナントや、エリア開発で培った飲食店のネットワークを活かして出店店舗を拡大していく。

 7月30日に開催した内覧会では松本大輝社長は「関東1都3県のサプライチェーンを向上する。三井不動産と連携して集荷しやすい立地で製造でき、ヤマト運輸のターミナル拠点に直接集荷できるようになった。今後の目標達成に向けて取り扱い数量拡大の拡大が見める」と話した。

 セントラルキッチンの竣工に合わせて商品提供の機会を拡大する。三井不動産グループとの連携を通じて、セントラルキッチンを構えるMFLP船橋の共用施設「&GATE」内のカフェテリアで、「mitaseru」商品を提供。物流施設の従業員に向けて名店の味を提供し認知度の向上をめざす。このほか、シニア向けレジデンシャル「パークウェルテイスト千里中央」のダイニングでの商品提供を始める。これまで、「パークウェルステイト鴨川」での商品提供を実施しており、提供施設を拡大する。

 あわせて、子ども食堂関連イベントでの商品提供も行う。イベント「こどもごちめし夏祭り2026」への参加や、新拠点の船橋エリアで展開する船橋子ども食堂ネットワークとの連携も推進していく。