アマゾンジャパンは年内にヤマト運輸と共同でマーケットプレイス出品者の自社出荷に対し特別運賃を適用する配送サービス「マーケットプレイス配送サービス」を始める。コロナ禍にあって、マーケットプレイスの新規出店者には店舗運営事業者が多く、出荷作業に苦慮しているケースが多いことなどから提供することにした。既に両社は4月からフルフィルメント・バイ・アマゾン(FBA)を利用する出品者向けの納品輸送で連携しており、今回は第2弾の連携の取り組みとなる。
60 サイズは 436 円から
「マーケットプレイス配送サービス」は、アマゾンに出品する販売事業者の自社出荷のすべての商品が対象となる。ヤマト運輸が提供する「宅急便」
「宅急便コンパクト」「ネコポス」を特別運賃で利用でき、特別運賃は前月の利用実績により3段階の料金体系を採用し、実績が500個以上で最も割安な運賃となる。宅急便の60サイズ(同一地域内の配送の場合)では、前月合計250個未満の場合が537円、同250個以上500個未満が454円、同500個以上で436円となる。ネコポスもそれぞれの前月実績で218円、201円、174円で利用できる。
「マーケットプレイス配送サービス」の特別運賃の例
(同一地域内の配送の場合)
配送方法 | 販売事業者様における前月のご利用箱数に応じた マーケットプレイス配送サービスの特別運賃(税込) | ||
前月の利用箱数 | |||
合計500箱以上 | 合計250箱以上 | 合計250箱未満 | |
ネコポス | ¥174 | ¥201 | ¥218 |
宅急便60サイズ | ¥436 | ¥454 | ¥537 |
新型コロナウイルス感染症の拡大から、新規の出品者には店舗のみを運営していた事業者が数倍に増えているという。このようなECに取り組み始めたばかりの新規出品者の場合、出荷のための人的リソースが不足していたり、配送品質に不安を抱いたりするケースがあるとしている。
そのような新規出品者や中小規模の既存出品者などを新たなサービスでサポートする。
開始時には最低額を全出品者へ
サービス開始時にはキャンペーンを実施する。前月実績に関わらず500個以上の運賃をすべての出品者に適用するという。
新サービスについて発表した10月5日開催のアマゾンのECイベント「AmazonECサミット」において、ヤマト運輸との連携について尋ねられたアマゾンジャパンセラーサービス事業本部の永妻玲子事業部長は、「ECの高まりから、出荷作業の人的な不足という声が寄せられている。配送スピード、送料無料、荷物追跡なども自社ではチャレンジしづらい。ヤマトとの連携で特別運賃を提供し、中小事業者の配送コストを削減し、そのリソース等を販売戦略に振り向けもらう」ことが狙いと述べた。
ヤマトとは既にFBAの納品輸送を
ヤマト運輸は従来、主にラストマイルでアマゾンの商品の配送を担っていたが、4月からはFBAを利用する出品者の在庫をアマゾンのフルフィルメントセンターへ納品する「パートナー・キャリア・プログラム」にも関わっている。「AmazonECサミット」で永妻事業部長と対談したヤマト運輸の長尾裕社長は同プログラムについて
「出品者が荷物を預けたいというタイミングで、いかに早く在庫に反映できるような仕組みまで含めてフルフィルメントと考えており、当社の4000カ所の拠点と6万人のセールスドライバーのネットワークをフルに活用してもらい、より良いビジネスが展開できと見ている。ブラッシュアップを図っていきたい」と語った。