靴の製造卸販売を手がけるマドラスは3月23日、自社通販サイト「マドラス シュースタイル」のリニューアルを機に、靴の返品サービスを始めた。消費者に安心して通販サイトを利用してもらうための施策で、ネット販売売り上げの拡大と新規ネットユーザーの獲得を目指す。
同社が開始したのは「試し履きサービス」。無料の会員登録をした消費者を対象に、届いた靴が気に入らなかった場合、15日以内であれば返品できるようにした。返品送料は無料で、サイズが合わない場合の取替えにも応じる。
同社は、2009年8月に通販サイトを開設したが、ネットで靴を購入することに不安な声も多く、利用者から問い合わせがあった際にサイズ違いも同梱して試してもらうなどの対応を試験的に行ったところ、2回目の購入にもつながりやすいという結果を得たという。
また、同社が商品を卸している他社サイトが同様の返品サービスを先行して実施していることもあり、返品率などの想定がしやすくなったとして、今回のサービス化に踏み切った。
同社は、都市部にある百貨店や専門店、GMSなどが主力の販路だが、百貨店などで靴の売り場自体が縮小傾向にある中、ネット販売を新しいチャネルとして強化していく考えで、これまでリーチしづらかった都市部以外に住む消費者の獲得にもつなげたいとしている。
靴の通販では、サイズ感などの不安を解消するために返品対応するサービスが増えており、アマゾンの「ジャバリ」は従来30日間だった返品対応期間をこのほど1年間としたほか、ベンチャー企業のジェイドが運営する「ロコンド」も今年2月に99日間返品できるサービスで本格参入しており、返品OKのサービスが当たり前となるのか注目される。