しまむら 初の自社ECをオープン

 カジュアル衣料大手のしまむらは10月1日、基幹事業「ファッションセンターしまむら」で自社通販サイト「しまむらオンラインストア」を開設した。国内に1400店以上を構える実店舗の強み生かし、既存の店舗向け物流網を利用して送料無料で届ける「店舗受取り」を軸に”ローコストEC”を展開。自宅配送を含めたEC事業の売上高は来期(2022年2月)50億円を掲げ、「新たな販売チャネルに育成する」(鈴木誠社長)という。

 同社は昨年、EC事業を立ち上げて埼玉・東松山商品センターの敷地内に専用の物流センターを建設するなどオンラインストア開設の準備を進めてきた。

 加えて、昨年1月には掲載商品を最寄りの実店舗に取り寄せることができるスマホアプリ「しまコレ」を始動。当該アプリを通じ、気になる商品を店頭で確かめてから購入する「店舗受取り」のニーズを確認。いよいよ、同社初の自社通販サイトをオープンすることになった。
 自社ECでは実店舗と同様にプライベートブランドの「クロッシー」シリーズやトレンドファッションを提案するだけでなく、オンラインストア限定商品も取り扱い、実店舗利用者にも楽しめる品ぞろえとする。

 ただ、商品展開数はオリジナル商品を中心に1500品番~2000品番を予定。これは「しまコレ」アプリの掲載商品数と比べて1・5倍~2倍となるが、しまむら店頭で販売するアイテム数の10%程度で、同社店舗で掘り出し物を見つける”しまパト”ユーザーにとっては限定的な品ぞろえと言えそうだ。
 商品配送は「しまコレ」アプリでニーズを確認できた「店舗受取り」と、購入者宅に届ける「自宅配送」の2種類を用意。「店舗受取り」は既存の店舗向け物流網を活用することで送料無料とし、ユーザーは店頭で商品を確認してからレジで支払うことになる。
 一方の「自宅配送」の送料は購入者負担とし、通常品は送料税別500円、大物は同1000円となり、支払いはオンラインストアでのクレジットカード払いのみで、配送リードタイムは注文後2日~7日前後かかる。
 今後、決済手段の多様化を計画しているほか、予約販売の機能も追加して人気アイテムの機会ロス低減などにつなげる。

 また、「ファッションセンターしまむら」だけでなく、「バースデイ」や「アベイル」もECを開始する方針で、とくに親和性の高い「バースデイ」は来期下期をメドにECでの取り扱いを始める計画という。
 21年2月期のEC事業売上高は、自社ECの開設に伴って9月12日にサービスを終了した「しまコレ」アプリの注文金額(10億円)および、「店舗受取り」と「自宅配送」の10億円を合わせた20億円を見込むが、来期は自社ECで50億円を計画。中期的には全社売上高に占めるEC化率を5%程度まで引き上げたい意向だ。

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