ニトリHD ライブコマース視聴者数拡大

 ニトリホールディングスでは「ニトリ事業」における通販売上高の拡大が続いている。背景にはEC機能などを持った公式アプリ会員の新規獲得が進んだほか、ライブコマースでの視聴者数の拡大、ウェブコーディネート機能の強化などがあると見られている。

 2023年3月期は決算期の変更に伴って13カ月の変則決算となるものの、参考数値としての国内通販売上高は前年比28・3%増の911億円となった。2023年3月期末の国内アプリ会員数については、当初目標数の1600万人をわずかに上回る1601万人を達成。前年比では21・8%増の286万人の増加となっている。

 今後については、引き続き、アプリの機能追加などを行い24年3月期末には会員数1900万人、25年3月期末には2500万人を達成することを目指している。

 また、前々期より開始したライブコマースに関しては、「インスタライブ」に加えて、前期には自社通販サイトの「ニトリネット」内に独自のライブ配信企画として「ニトリライブ」を開設。週に2回のペースで配信しており、前期は合計で86回を配信した。

 ライブ番組ではニトリ商品だけでなく、グループ傘下でインテリア雑貨ブランドの「デコホーム」や女性向けアパレルブランドの「N+」などの商品も紹介。さらに、クーポンの配布も行うなど顧客接点の拡大を図っている。今期は関連人員を追加して、配信の強化を図っていく。

 そのほか、ウェブ関連施策では、自宅にいながら無料で窓まわりの商品購入に関する相談ができる「カーテンオンライン相談サービス」を開始。カーテン、ロールスクリーン、ブラインドといった商品の提案だけでなく、採寸に関する案内も行っている。並行して、昨年11月からはニトリネット内に、気になるインテリアが自宅の部屋に合うか、色や柄の組み合わせを確かめた上で買い物ができる「お部屋〓コーディネート」(画像)機能も導入している。

台湾のアプリ会員数も増加

 なお、海外事業の通販関連施策については、台湾事業において、アプリ会員数が100万人を突破。また、中国大陸事業についても、家具インテリアアプリの「一兜糖(イードウタン)」と協業したほか、通販オリジナル商品の拡大、サイトでの動画の追加や、ページのリッチ化などを図った。

 24年3月期は、アプリ機能の追加により、台湾でのアプリ会員数135万を計画。中国大陸ではECプラットフォームの「拼多多(ピンドウドウ)」への新規出店や、SNSの「WeChat」内での自社サイトのアプリ化を図る予定。

 加えて、東南アジアでは仮想モールの「Lazada」への新規出店も行う考え。

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