青山商事 ECにバーチャル試着導入

 紳士服の企画・販売などを手がけている青山商事は9月27日、「洋服の青山公式オンラインストア」にバーチャル試着サービス(画像)を初めて導入した。利用者の動きに合わせて服が揺れたり、動画や画像撮影もできるため、オンライン上での購入後のイメージをより想起しやすくできるような支援ツールとして活用する。

 同サービスはアパレル支援サービスを行うSally127(=サリーワンツーセブン、同台東区)が手がけているもので、専用アプリが不要で通販サイト上のリンクから専用ページに遷移してできるという。

 操作は対象の商品ページに埋め込まれた「バーチャル試着」ボタンをクリックして、試着したい色やサイズを選択、身長・ウエスト・ヒップを入力後にスマホで撮影するだけとなる。

 入力情報を基に、商品のサイズ感が調整され、動きに合わせて服の裾が揺れたり、自然でなめらかな動きを再現。洋服の画像も体型に合わせて拡張するようになっており、実際に試着しているような体験が得られるという。360℃からの試着を体感することができるほか、遠隔シャッターで動画や写真の撮影も可能となる。

 同サービスを通じてデザインやサイズ感などの着用イメージを想起しやすくする効果に加え、購入後のミスマッチを防ぐことでECでの返品などを軽減することにもつながるとしている。加えて、手持ちのアイテムとも合わせながらバーチャル試着を活用することで、自身のライフスタイルに合わせて着用したイメージを持ちながら買い物ができるとした。

 なお、同社では過去に傘下ブランドにおいて、タブレットで3D撮影し、自分自身の顔を画面上の仮想ボディーにプログラミング加工することで顧客のアバターを作成して、スーツの仮想試着ができるサービスを提供していた。今回のサービスではアバターの制作などは不要で、仮想試着までの工程もより簡略化されているという。

 同サービスの導入商品の第1弾として、EC限定のレディース向け「リバーシブルコート」(1万4300円)で採用。同商品は適度にゆとりを持たせたベーシックなステンカラーコートで、表地と裏地で異なるカラーを採用した2WAYのリバーシブル仕様。仕事やオケージョンといったオフィシャルシーンやプライベートシーンでも1着で着こなしの幅を広げられるようになっている。また、自宅での洗濯が可能なウォッシャブル機能や、袖口と脇下に静電気を抑制する放電テープを施すなど機能性でも訴求。さらに、冬場の重ね着による肩への負担を軽減する軽量(Mサイズで約700グラム)仕様となっている。

 今後は随時対象アイテムを拡充していく予定で、まずは、より細かなサイズ感覚を持つ女性向け商品で導入する考え。加えて、スーツよりも、よりカジュアル性の高いアイテムでの導入が先行すると見られている。

NO IMAGE

国内唯一の月刊専門誌 月刊ネット販売

「月刊ネット販売」は、インターネットを介した通信販売、いわゆる「ネット販売」を行うすべての事業者に向けた「インターネット時代のダイレクトマーケター」に贈る国内唯一の月刊専門誌です。ネット販売業界・市場の健全発展推進を編集ポリシーとし、ネット販売市場の最新ニュース、ネット販売実施企業の最新動向、キーマンへのインタビュー、ネット販売ビジネスの成功事例などを詳しくお伝え致します。

CTR IMG