テレビ通販支援事業を行うトライステージは８月下旬から生放送型動画通販を始める。本業のテレビ通販ノウハウを活用、専用サイト内で通販動画を配信、20～30代をターゲットに動画通販を展開する。
テレビ通販支援事業と同様に販売主は通販実施企業でトライステージは売り場（専用サイト）の提供と動画制作を受け持つ。テレビ通販の経験のないネット販売専業社など新規クライアントの獲得も狙う。同事業をテレビ通販支援事業に続く収益の柱として育成していく考えだ。
トライステージが新設した生放送型動画ショッピングサイトは「ナマコマ」。上部に「ユーストリーム」を組み込んだ動画と連動したツイッター、下部に動画のアーカイブと紹介商品の購入サイトへのリンク、右側に「ナマコマ」の公式ツイッターとブログへのリンクを設置。「動画を見たユーザーの感想がツイッターなどソーシャルメディアを介して双方向で閲覧でき、番組出演者と視聴者と皆で盛り上がれる」（同社）サイト構成とした。
「ナマコマ」で商品を販売する販売主は主力事業のテレビ通販支援事業と同様、あくまで通販実施企業。トライステージはサイト運営と番組制作などを受け持つ。「『ナマコマ』は”通販サイト”ではなく、”メディア”として位置付ける。そのため『ナマコマ』に決済機能はなく、動画紹介商品の購入は販売主である各通販企業の通販サイトへ遷移させる」（同社）仕組み。トライステージは販売主から番組制作費に加え、送客数ベースまたは実売上高の成果報酬ベースで手数料を徴収する。
動画サイト自体は８月20日に立ち上げ、テスト的に「ねこ通販」や「萌え萌えメイド通販」など収録番組（動画）をアップしているが、実際に商品を紹介する通販動画の配信を始めるのは８月26日から。当面は毎週金曜日の午後８時から生で１時間の動画を配信、20～30代の男女をターゲットに２～３商品を紹介予定。初回となる８月26日の番組では若年女性層をターゲットに“イケメン執事＂が美容関連商材など３商品を紹介する番組を配信予定。
番組内容は単に商品紹介ではなく、生番組とユーザー参加という特性を生かして「例えばＡとＢという商品で価格や味などを競い合い、ユーザーからの得票数が多かった商品を販売する対決方式の番組」（同社）なども想定しつつ、商材や反響を見ながら今後、変えていく。生番組の配信ペースも状況を見ながら、増やしていく考え。
トライステージではまず、既存のテレビ通販支援事業で取引のある通販企業を中心に「ナマコマ」への参加を促し、脱毛機や腹筋運動器具などテレビ通販でおなじみの商品を「ナマコマ」で紹介していく。今後、大手仮想モールに出店するネット販売専業者や衣料品メーカーなど映像で通販を行った経験のない通販実施企業についても動画を使った通販展開の需要があると判断し、積極的に営業をかけていきたい考え。
動画視聴者の獲得のため、８月20日からオンライン・ビンゴの参加者数でギネス記録を持つコカ・コーラが運営するビンゴゲームサイトでバナー広告など出稿するほか、10月には大手ＳＮＳサイトでも同様に広告を出稿。トラフィック数の多いサイトに絞って広告出稿を行い、「ナマコマ」の視聴者数を増やす。
トライステージでは「ナマコマ」の開始でこれまで収録モノのインフォマーシャル制作が中心で弱かった「生通販番組の制作ノウハウ」を取得し、テレビ通販支援事業に活かしたい狙いのほか、ネット上での動画通販に本格的に乗り出し、テレビ通販支援事業に続く今後の収益の柱に育てていきたい考えのようだ。