ヤフーは10月7日から、フリマアプリ「PayPayフリマ」を新設した。グループ会社が展開するスマホ決済サービス「PayPay」と連携し、決済時に還元率を高めたり、運営するネット競売サービス「ヤフオク!」との連携で出品数を確保するなどし、短期間での規模拡大を進めたい考え。
「PayPayフリマ」はメンズ(ファッション)、レディース(ファッション)、家電・スマホ・カメラ、ゲーム・おもちゃ、ホビー・グッズ、本・音楽、コスメ・美容、ベビー・キッズ、インテリア・雑貨、スポーツ・レジャーのカテゴリーの商品を取り扱うフリマアプリで売り手から会費などは徴収しないが成約時に販売手数料として商品価格の1割と送料分を徴収する。残りの売上高は「PayPay」の残高としてチャージしたり、振込申請が可能。買い手側の利便性を高めるため、送料は成約時に売り手から徴収することで買い手側の送料負担はなくした。なお、成約品は匿名配送の「ヤフネコ!パック」か「ゆうパック・ゆうパケット(おてがる版)」のいずれかを選んで配送する。ブランドのコピー品や危険物などほか、手元に商品がない予約商品、サービス、レンタル商品などは出品できない。
買い手は成約時にPayPayかクレジットカードで決済でき、PayPayで決済した場合は決済額の1%分を還元する。
買い手や売り手の利便性を高めるため、価格交渉のやり取りについて商品ページに希望価格を出品者に簡単に伝えることができる「価格の相談」というボタンをつけ、当該価格に応じる場合、出品者は同意ボタンにタップするだけで取引が成立したり、商品の状態などについての質問はチャット形式で可能となる機能を加えるなど購入者にとって利用しやすいよう工夫した。
また、運営するネット競売サービス「ヤフオク!」とも連動し、個人で出品する競売形式でない固定価格販売商品を「PayPayフリマ」でも閲覧・購入できるようにした。日本最大のネット競売サービスであるヤフオクの出品者に販路拡大を促すことで短期間で「PayPayフリマ」の商品数を増やしたい狙いがあるようだ。
ヤフーではネット競売サービス「ヤフオク!」でフリマ機能も展開しているが、純フリマサイトを新設し、しかもグループで利用者および加盟店拡大に注力している「PayPay」との連携を強化することで売り手、買い手ともに利用者を増やし、CtoC取引ではシェアを奪われ続けていたメルカリなどの競合サービスに対抗していきたい考えのようだ。
スタート時点ではiOS版のみ対応。Android版は10月末を予定しているという。今後、売り手、買い手の利用を促すため、売り手の送料をヤフーが全額負担したり、買い手に初回利用時に1000円以上の購入時に使用できる500円分のクーポンを配布するキャンペーンや成約時に付与する「PayPay」の電子マネーの還元率を高める大型キャンペーンを実施する予定としている。