食品通販事業者各社は被災地の農産物の販売を開始した。オイシックスは4月5日から、通販サイトで新コーナー「がんばれ関東野菜」を開設した。大地を守る会は4月14日から、野菜セット「福島と北関東の農家がんばろうセット」のネット販売を開始した。自社で放射性物質の独自測定を行い、商品の安全性を担保。被災地の野菜を販売することで生産者の支援につなげる考えだ。
オイシックスが展開する「がんばれ!関東野菜」は、栃木や茨城、千葉で栽培された野菜を販売する。まず、栃木のいちごや茨城のクレソンやチンゲンサイなど16品目を取り扱う。品目数は順次拡大する予定で、4月12日時点で35品目を販売。自社の配送センターで放射性物質を測定し、国の暫定基準値を下回ったものを出荷する。
大地を守る会は通販サイト「大地を守る会ウェブストア」で、野菜セット「福島と北関東の農家がんばろうセット」を発売。福島や茨城、栃木の野菜を中心に4~5品目をセットし1200円で販売する。放射性物質の独自測定を実施し、国の暫定基準値を下回るもののみを出荷する。
オイシックスが実施したアンケート調査によると、福島や茨城などの生産物について77%が「国の基準を下回るものは購入したい」と回答した一方、82%が「放射能を気にしている」とした。放射能への関心が高いものの、安全性が確認できれば購入に前向きなユーザーが多いことがわかった。食品宅配事業者が安全性を確保することで、風評被害の抑制につなげたい考えだ。