楽天オプティミズム2021で三木谷社長 「ECはポイント核に成長」

 楽天グループは10月12日と13日の2日間、オンラインイベント「楽天オプティミズム2021」を開催した。

 2年ぶりの開催となる今回は、新型コロナウイルスの感染拡大防止に加えて、国内外の誰もが参加・視聴できるよう、有力企業のCEOやクリエイターなどを招いたビジネス・カンファレンスを参加無料のオンライン形式で実施。初日となる12日には、楽天の三木谷浩史会長兼社長(=写真)による基調講演が行われた。

 三木谷社長は昨年からのコロナ禍を振り返り「デジタルがあったからこそ、かなり被害を抑えることができたし、新しい時代に向かって大きく変革が進んだのではないか」とした上で、「いよいよ迎えるポストコロナ時代」をテーマに語った。

 仮想モール「楽天市場」をはじめとする国内EC事業に関しては、流通額が毎年2桁成長率を維持しており、上半期は2兆3000億円、通期では5兆円に達する見込み。三木谷社長が成長のポイントとして挙げるのは「楽天ポイント」だ。「圧倒的人気ナンバー1のポイントになっており、これは幅広い場所で使えるのが大きいのだろう」(三木谷社長)。今年8月末時点の累計発行ポイントは2兆5000億ポイントを超えており、「足が震えるくらいのポイントを発行している。また、90%以上のポイントが消化されており、楽天グループのさまざまなサービスを使う人が多くなってきている」。

 送料無料となる購入額を税込み3980円で全店舗統一する施策「送料込みライン」に関しては、約92%の店舗が導入。また、日本郵便との合弁会社「JP楽天ロジスティクス」を設立したことも紹介した。「全国津々浦々、安く早く届けるには、すでに配送網がある日本郵便と組むのが良いと考えた」。既存の物流拠点をシームレス化するとともに、新たな物流拠点も設ける。「DX物流プラットフォームをオープンにしていく。新しい時代の物流プラットフォームとして、活性化できるのではないか。店舗とユーザーにとって、安くて早くて性格で、心のこもった配送を目指していきたい」。

 モバイル事業については「楽天グループのショッピングやトラベル、コンテンツ、金融システムとの連携をすることで、さらに大きくしていく。また、米アマゾンがEコマース事業とクラウド事業を軸にしているように、楽天モバイルもモバイル事業とともに、ソフトウエアやクラウドプラットフォームを海外で売っていく」という。

 また三木谷社長は、インターネットの高速化が進む中、5Gや人工知能、ブロックチェーンがキーワードになるとした。さらに「これからの社会がどう変わっていくか」として、「スマホのネットワークインフラ化」「すべてのものがIoTでネットにつながる」「ゼロキャッシュ時代が到来する」を挙げた。三木谷社長は「変革は思いきらなければいけないことや、多少の傷みも伴うかもしれないが、その先には楽天的な良い未来が待っているのではないか」と講演を結んだ。

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