大丸松坂屋百貨店は7月6日、松坂屋名古屋店北館5階の時計・宝飾売場を14年ぶりに改装し、時計展開スペースを約2倍に拡大した「ジェンタ ザ ウォッチ」で、オウンドメディアを起点にしたオンラインで利用できるサービスを増やして顧客の利便性向上を図り、これまで取り込めなかった若い世代や女性客の開拓を進める。
同社によると、コロナ禍で顧客の消費行動が大きく変化し、時計や宝飾などのラグジュアリー売場の売り上げはコロナ前の2019年を上回って好調だ。
今回のリニューアルでは、従来から強みとしている高級時計ブランドの「品ぞろえ」に加え、オンラインの活用で「サービス」面も充実させる。
まず、既存のオウンドメディア「ウォッチ マスター」を、腕時計情報と正規販売店検索を展開するウェブサイト「グレッシブ」を運営するベストナビと協業して6月27日に刷新。専門サイトならではの知見をとり入れることでコンテンツの魅力を高める。
リニューアル後は「ジェンタ ザ ウォッチ」サイトとして展開し、掲載する約2000種類の時計を、スマートフォンを使ってオンライン上で仮想試着できる新たなツールを導入(画像)。試着イメージをつかむことで、顧客の来店動機を高めるという。
また、オンラインウォッチオーバーホール(腕時計の分解掃除)サービスを開始する。「ジェンタ ザ ウォッチ」から申し込み後、自宅に届く専用梱包キットにオーバーホールする時計を入れて時計修理工房宛に発送すると、6~7週間でオーバーホール済みの時計が届く。
見積もりやオーバーホール内容の確認なども来店不要で修理工房担当者に確認できるため、来店が困難な顧客の利便性向上を図るとともに、修理工房の売り上げ増も狙う。
加えて、約10ブランドのショップでネットから来店予約ができるサービスを導入するという。