大丸松坂屋百貨店は3月1日、サブスク型ファッションレンタルサービス「アナザーアドレス」に新たにメンズラインを加えて事業拡大に乗り出すことになった。好調なレディース向けの取り扱いも強化し、5年後の2028年2月期には当該事業で売上高約75億円、有効会員数4万5000人を目指す。
「アナザーアドレス」は、21年3月に百貨店初のファッションサブスクサービスとして始動。月額定額で、憧れのブランドのアイテムを毎月自由に選んでレンタルできることから、時間や経済的な理由などでハイエンドのファッションをあきらめていた、都市圏で働く30~50代女性を中心に支持されている。
今年2月20日時点の総登録会員数は約1万5000人、総レンタル数は約10万着と想定を上回る実績を上げているほか、百貨店で服を買っていない新規顧客率は昨年4月時点で約92%に上るなど、新たな顧客層の開拓につながっている。
サービス開始時からメンズ領域の要望が多かったのに加え、ファッションのジェンダーレス化や男性ビジネス服のカジュアル化の傾向を受けて、「アナザーアドレス」内でメンズの取り扱いを始める。
都市圏で働く30~40代の男性をメインターゲットに、週末カジュアルウェアやビジネスカジュアル、ゴルフなど幅広いシーンのファッションを提案する。
メンズは国内外を代表する80ブランドでスタート。初年度はメンズ規格の商品を約2万5000着用意し、その半分程度はジェンダーレスアイテムとして提案。メンズ有効会員数は2500人を目標とする。また、レディースも新規60ブランドが加わって計173ブランド体制となる。
同社では、メンズ領域への拡大に伴い、5カ年の事業計画を上方修正し、28年2月期の売上高は75億円(当初計画は55億円)、在庫数は30万着(同20万着)、有効会員は4万5000人(同3万人)を目指すほか、収益性も大幅改善を見込む。