モデラート 通販限定「上質定番服」が人気

 D2Cファッションブランド「ソージュ」を展開するモデラートの事業が好調だ。ブランドをローンチした2018年からベンチャーキャピタルの出資を受け、2019年11月期からの年平均成長率200%を達成するなど急成長を遂げている。

 「ソージュ」は、トレンドに左右されず着用できる定番デザインを中心に、上質な素材とこだわりのシルエット、手頃な価格帯で幅広い年代の顧客を獲得。ライフステージの変わり目で、服装選びに課題感を持つ30~50代から特に支持を得ているという。

 販路は100%自社通販サイト。東京・代官山のサロンでは商品は販売せず、試着やスタイリストによるカウンセリングサービスなどを提供。また、東京や大阪の百貨店で不定期にポップアップストアを開催し、認知拡大を進めている。

 代表取締役の市原明日香氏は「ハイブランドが指名買いするような高級素材を使用しているので品質が良く、長く着用できるので結果的に『コスパがいい』と納得していただいている」とし、公式サイトの商品レビューには品質や着回しの良さを称賛する声も多く、新規購入者の後押しとなるなど好循環を生んでいるという。

 価格設定については、「基本的にセールを行わないため、セールを見越して高めの価格設定をする必要がない点が大きい。同一の生地を複数の服に展開するので仕入れのボリュームディスカウントが効きやすく、販路を通販に絞り流通チャネルの最適化を図るなど、複合的な取り組みで価格を抑えている」(市原社長)とする。

 2024年の春夏コレクションでは、需要が高まるセレモニーアイテムを主軸に、合計150型以上を展開予定。新作数は31型で過去最多だという。

 売上1位の「エスダブルクロスシリーズ」からは、新作「スタンドカラーコクーンブラウス」(5色、販売予定価格は各税込1万2100円)を発売。上質でしなやかなドレープが特長の国産ダブルクロスで程よい伸縮性と適度な厚みがありながらサラッと軽やかな肌触りとなっている。

 100%繊維由来の再生ポリエステルを使用した「ジョーゼットシリーズ」からは、長袖の「ジョーゼットリボンブラウス」(3色、販売予定価格は各税込1万3200円)と、半袖の「ジョーゼットバックリボンフレアスリーブブラウス」(3色、同各税込1万1000円)を発売。生地に凹凸があるため肌に張り付かず、暑い時期も快適に着用できるという。

 同社ではプロパー消化率(定価販売構成率)99%、商品の廃棄率0・1%未満を実現。サステナブルなビジネスモデルで業界からも注目を集めている。

 2022年3月には化粧品事業に参入。23年12月8日には新ブランドTOERI(トーリ)をローンチするなど事業を拡大している。

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