大手アパレルのアダストリアは7月27日、需要予測AIを手がけるスタートアップ企業のLiaro(リアロ)のAIを活用した「ディストリビューション最適化」ソリューションを基幹ブランドの「グローバルワーク」に導入し、一定の効果が認められたと発表した。
アダストリアは”適時適価適量”の方針のもと、徹底した商品計画とファッションロスをなくすための取り組みを実施している。自社通販サイト「ドットエスティ」の1600万人を超える会員の膨大な購入データ、在庫データをより効率的に活用したいという考えから、2023年初夏シーズンから「グローバルワーク」の一部商品に需要予測AIを導入。一般的にトレンドアイテムの需要予測は難しいとされる中、21年から検証、実証実験を行ってきた。
AI需要予測を導入した結果、未導入の他商品に比べて機会損失が導入前比で3%改善されたほか、これまでケアできていなかった商品のフォローができるようになり、AIと担当者の判断を比較することで、人の仕事の精度向上にもつながっている。また、店頭在庫を最適化することで、在庫の店舗間移動が抑制されることによる配送回数の削減も期待できるとする。
今後はよりファッション性の高いブランドや商品でもAI需要予測が活用できるよう、利用範囲や予測精度を高めることでさらなる在庫管理の効率化や働き方の改善に取り組む考え。