ネット販売事業などを手がけているジェネレーションパスでは、主力であるＥＣマーケティング事業と並行して、記事形式で情報を発信しているメディア事業の強化を進めている。同社が取り扱う膨大な商品の中から顧客が求める商品を探す手間を省くことや、商品知識・理解を深めるための役割なども期待している。
現状、同社では家具・インテリアの情報を取り扱う「イエコレクション」（画像）をはじめ、ギフト関連情報を扱う「プレコレ」、小説や漫画、映画などの情報を扱う「ブックスコレクション」の３つのウェブメディアを運営している。
それぞれアフィリエイト形式となっていて、同社では扱っていない他社サイトの商品なども掲載しており、情報発信からのＥＣ送客・販売を行っている。広告収益は年々伸びているが、単体としてはそこまでの大きな規模ではなく、あくまでもマーケティング施策の一環として運営している。
昨年立ち上げたブックスコレクションについては、社内ベンチャーのような形で社員自身の発案で開設されたもの。若い女性社員が運営を担当しており、同社がこれまで得意としてきた家具・インテリア・雑貨などとは色合いが異なるジャンルではあるものの、評判は上々で人件費分の収益は出ているようだ。
各メディアの記事作成に当たっては数人の社員とアルバイト、また、外注のライターなどが担当している。「どうしても広告収入を得たくなると趣旨がずれてしまう。（発信する情報が）何か意図的になってしまうのでは本末転倒。匙加減が難しいが、基本的にはある程度自由に書いてもらった方が良い」（岡本）としている。
同社によると、ＥＣ全体でＤＸ化が進んだとは言え、顧客が求めている商品と完全に合致した商品をサイト側が提示することは非常に難しい面があるという。それよりも、商品やカテゴリーの理解を深める情報発信を行うことで、情報不足によって生じる購入後のミスマッチを防ぐ取り組みに着目。情報感度が高くなった消費者に対して、サイト側で良いものを適正価格で提示していくことが購買への最短距離になると考えている。
直近ではペットやベビー関連用品などが売れ筋のカテゴリーになってきていることから、新たな分野でのウェブメディアの開設も視野に入れていく考え。