「メルカリShops」 中古品の流通が急増

 メルカリ子会社で新規事業の企画開発を手掛けるソウゾウが運営する、簡単にネットショップを開設できるプラットフォーム「メルカリShops」では、リユース品の流通額が急増している。今年1月のメルカリShopsにおけるリユース関連商品の取引数は、昨年33月と比較して約2・2倍に増加。昨今の物価高が成長を後押ししているほか、環境や社会のサステナビリティーに配慮した「エシカル消費」の高まりを受けた、リユース市場の拡大も好調の背景にあるようだ。

 1月におけるリユース事業者の累計出店舗数は、昨年3月比で約1・5倍に増加。ソウゾウ営業本部アカウントマネジメント営業部の久保翔平部長は「『メルカリ』はリユースのマーケットプレイスというイメージが強く、実際に2100万人のユーザーがいる。こうした場所に広告や独自の集客をせず商品が販売できるという点に、企業は魅力を感じているのではないか」と話す。

 リユース関連で販売が多いカテゴリーは 「アパレル」「家電・スマートフォン・カメラ」「おもちゃ・ホビー・グッズ」の順となっており、「自動車・オートバイ」や「スポーツ・レジャー」も人気になってきている。またリユース品の取引において、メルカリShopsでの取引単価はフリマアプリ「メルカリ」の取引単価の約2倍であり、B〓Cの方がC〓Cよりも高単価な商材が取引されている。ブランド古着販売のバズストアや、スポーツ用品店のムラサキスポーツなどが好調。現時点で最も月商の高いリユース関連の出店者は、月商2800万円超の中古買取・販売を行うショップという。

 ヤフーの「ヤフオク!」で販売している企業が2店舗目として出店するケースも目立つ。昨年10月には、ワサビとNOVASTOが提供する、リユース業界に特化したEC一元管理システムとAPI連携を開始。EC一元管理システムを通したメルカリShopsの商品在庫管理や受注管理が可能となったことで、1品物であることが多いリユース品の併売がしやすくなった。

 また、期間限定の割引価格を表示できる「タイムセール機能」や、1つのショップを複数のスタッフで運営できるようにする「スタッフアカウント機能」をうまく活用する店舗も増えているという。後者に関しては、特に実店舗の多数展開している企業が、訳あり品などの店頭には出しにくい在庫を、各店舗から出品してもらう、といった活用をしている企業が出てきた。

 メルカリShopsは、一昨年10月のサービス本格提供開始後、6か月で累計出店数が20万店舗を突破するなど、流通額を拡大している。リユースジャンル以外でも、「大手仮想モールのトップクラスの店舗が出店しはじめている」(久保翔平部長)という。実績を挙げている店舗は、検索から見つけてもらいやすいように出品数を増やしたり、メルカリShopsが開催する「特集」に管理画面からエントリーしたり、タイムセールを実施したりといった施策を実施することで、メルカリShops内での露出を増やしている。

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