楽天カード みずほFGと資本業務提携 市場出店者向けカード発行も

 楽天グループは11月13日、子会社の楽天カードがみずほフィナンシャルグループ(=みずほFG)と資本業務提携を締結すると発表した。楽天グループは、楽天カード普通株式の14.99%をみずほFGに譲渡する。 譲渡日は12月1日、譲渡額は約1650億円。12月3日には、みずほ銀行と楽天カードの提携クレジットカード「みずほ楽天カード」の発行を開始する。

 楽天とみずほFGでは2022年10月、楽天証券とみずほ証券が資本業務提携を締結。資産形成・資産運用分野におけるオンライン・リアルの双方を組み合せた新しいリテール事業モデルの構築に取り組んできた。提携後の2年間で、楽天証券の口座数は200万件増加したほか、預かり資産は2倍の32兆円になるなど、効果が出ているという。

 楽天では、フィンテック事業のコアビジネスである楽天カードのさらなる成長に向けて、みずほFGとの連携をより深めることで、個人向けビジネスに加え、今後拡大が見込める法人領域等での拡大を狙う。提携により、楽天カードの事業領域の拡大とさらなる成長に加え、楽天カードを中核とした「楽天フィンテックエコシステム」全体の拡大・発展を図る狙い。

 楽天ではみずほFG、みずほ銀行、ユーシーカード、オリエントコーポレーション(オリコ)と業務提携を締結。個人向け取り組みとしては、まず楽天カードとみずほ銀行が、仮想モール「楽天市場」での買い物で、楽天ポイントが3%貯まる、みずほ楽天カードの発行を12月3日より開始する。さらにオリコとの取り組みでは、オリコのAI与信に基づき、長期分割払いの枠を提供するサービスの導入を検討。楽天市場で楽天ユーザーが簡便に申し込みでき、即時に審査結果が得られ、繰り返し利用することができるデジタル分割払い機能を取り入れる計画だ。

 法人向けの取り組みとしては、楽天カードと、ユーシーカード・オリコは、それぞれのノウハウを活用、楽天が展開するサービスに関わる約90万社の加盟店等の事業者を中心とした法人に対し、より弾力的に信用供与可能となる、法人向けカードの発行を検討する。

 11月13日の記者会見で、みずほFGの木原正裕社長は「ユーシーカードは法人向けカードに強みがあるので、楽天の課題である楽天市場出店者の資金繰りについて、一緒になって支援していきたい」と述べた。また、楽天の三木谷浩史社長は「これまで楽天カードでは法人向けカードを出してこなかったが、非常にニーズが高いので、みずほFGと協力して拡大していきたい」とした。

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