【EC動向】アマゾンジャパン、初のテレビCM

アマゾンジャパンが初のテレビCMの放映を始めた。CMは同社のファッションカテゴリーの紹介に特化した内容で、「ゾゾタウン」など競合に遅れをとるファッション分野の売上規模拡大を図りたい考え。

アマゾンが4月16日から放映を開始したテレビCM「ワイドセレクション編」は同社が放映する初のテレビCMとなる。昨年11月に一部地域で同CMをテスト放送していたが、今回から中部地域を除くほぼ全国で本格的に放映を始めた。CM予算や放映局数、本数、放映期間などについては明らかにしていない。

当該CMは同社の通販サイトの中でもファッションアイテムを販売する専門ページ「ファッションストア」の告知に特化したもの。CMはクリック音と「アマゾン」のロゴからスタート。サーファーの年配男性、ヨガを行うOL(=画像)、ゲーマーの若い男性、子育て中の女性と赤ちゃん、ロッカーの男性など様々な世代の男女が登場し、それぞれに関連するアマゾンのファッションアイテムを身に着けていく内容で、終盤で「どんなスタイルでも、見つかる。アマゾンファッション」という文字とナレーションが流れ、「アマゾンファッション」と入力された検索窓を表示し、アクセスを促す内容となっている。

CMは「ワイドセレクション編」のみ1パターンで30秒と15秒タイプのものがあり、両方を放映。当該CMはアマゾンの通販サイト内の特集ページでも動画で配信し、CM内で紹介した商品の詳細や購入なども促す。

CMに連動して4月16日から6月10日までの期間中、「あなたはどんなスタイル?リストマニアを作ってプレゼントをもらおう」および「アンケートに答えてAmazonギフト券をもらおう」という2つのキャンペーンを実施する。

「あなたはどんなスタイル?リストマニアを作ってプレゼントをもらおう」はアマゾンの機能の1つで好きなトピックや興味のある話題に関連のある商品のリストを作成しサイト上で公開できる「リストマニア」を使い、アマゾンの「ファッションストア」で販売する商品の中で個性的なコーディネートを提案したユーザーをアマゾンおよび協賛ブランドのスタイリストで選考し、10万円分の「Amazonギフト券」を1人、1万円分を10人、「ファッションストア」内のユナイテッドアローズやジャーナルスタンダード、ビームスなど13ブランドから17賞(合計85万円相当の商品)を贈与する。「アンケートに答えてAmazonギフト券をもらおう」ではファッションに関するアンケートに回答したユーザーの中から抽選で500人に500円分の「Amazonギフト券」をプレゼントする。

初めてCMの放映を行う理由についてアマゾンジャパンでは「当社のファッションストアを多くの方々に知って頂くため」としている。

アマゾンは国内のネット販売サイトの中では断トツの売上規模と見られ、最大手のネット販売事業者だと推測されるものの、有力ブランドの誘致強化やファッションカテゴリーページの刷新、ファッションアイテムを集約した専用の物流拠点を埼玉県川越市にオープンしモデル着用の画像を撮影するスタジオを作るなど近年、力を入れているファッション分野については、急激に売上規模を伸ばしている模様だが、スタートトゥデイの「ゾゾタウン」など先行する競合他社にはいまだ水をあけられているようだ。

そのため、初めてのテレビCMを打ち、ネット上だけでの告知ではアプローチできない新規顧客を開拓し、市場規模も大きいファッション分野の売上規模拡大を早めたい考えのようだ。

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