楽天は5月17日、画像SNSサイトを運営する米国のPinterest(ピンタレスト)社に出資したと発表した。同社の第三者割当増資の一部を引き受ける形で、出資金額は公表していないが5000万ドル程度とみられている。楽天はピンタレストの日本参入を支援するほか、仮想モール「楽天市場」との連携にも着手。「楽天市場」のソーシャル性を強化する青写真を描く。急成長を遂げるSNSとの連携が「楽天市場」にはたしてどのような影響を与えるのか、その動向に通販事業者の注目が集まりそうだ。
ピンタレストは興味を持ったサイトの画像を収集し、他ユーザーと共有するなどして楽しむ“画像特化型"のSNS。日本での認知度はまだ低いが、米国では現在、1000万人以上のサイト訪問者を誇るなど第3位のSNSとなっているという。
楽天は今回の出資により、ピンタレスト社と戦略的に提携。具体的にはピンタレストの日本展開を支援するほか、同SNSと「楽天市場」とのID連携などを計画する。
一例を挙げると、「楽天市場」へのピンタレストのボタンの導入だ。ピンタレストはサイト上の画像収集用に「Pin It」というボタンを用意しているが、こうしたボタンを「楽天市場」に導入するなどが考えられるという。容易に商品画像の収集・共有が行える仕様にすることで、例えば興味・関心が似ているユーザー経由の流入などが期待できそうだ。
また、画像をベースにしたピンタレストはファッションや食分野で相性がいいとされるが、楽天でも近年ファッション分野の強化に力をいれており、こうした点でのシナジーも期待できる。将来的には海外で展開する仮想モールなど「グループ全体に広げたい」(楽天)構想だという。
ただ、ピンタレストの日本での認知度はまだ低く、今後、ツイッターのようにユーザー数を飛躍的に拡大できるかは未知数。日本でピンタレストがどこまで浸透するか、それが成否を分けるカギになりそうだ。