【EC動向】ケンコーコムのシンガポール子会社、「楽天市場」に出店

ケンコーコムの子会社で、海外消費者向けのネット販売事業を手掛けるケンコーコムシンガポール(ケンコーコムSG)は12月5日、仮想モール「楽天市場」に出店した。これまで同社は、アジアなど海外消費者や海外在留邦人向けに日本の医薬品や海外のサプリメントなどを販売してきたが、圧倒的な集客力を持つ「楽天市場」への出店を通じ、日本の消費者向けに海外の商品を展開。売り上げの拡大につなげる構えだ。

今回、ケンコーコムSGが開設した「ケンコーコムSG楽天市場支店」では、海外のサプリメントやコスメ、ベビー関連商品など約500アイテムを扱う。個人輸入の形で販売し、決済はクレジットカードに対応。送料は650円。税込3990円以上の購入で送料無料とする。
ケンコーコムSGは、2009年10月に自社通販サイトを開設。国際的なハブとなるシンガポールを拠点にアジアや欧米など海外向けの事業展開を加速させる狙いで、現在、日本を含む約30カ国向けに商品を展開する。

ケンコーコムSGの売上高も順調に拡大しており、2012年3月期は前期比34・3%増の3億6700万円。今期(13年3月期)も第2四半期までプラス基調で推移している。だが、170億円超の全体売り上げ規模からみると、まだ物足りないのが実情だ。そのため、親会社の楽天が運営する「楽天市場」の集客力をベースにした日本消費者向けの商品展開で、海外事業のテコ入れを図る狙いのようだ。

ケンコーコムが手掛ける国内の健康関連商品ネット販売事業も売り上げが伸びているが、チャネル別でみると、すでに「楽天支店」の売り上げが自社サイトを上回り、さらに構成比が上昇している状況。これはケンコーコムと楽天との連携が進んでいることをうかがわせるものだが、一方で、あるネット販売関係者からは、「資本の理論からすれば当たり前なのかも知れないが、ケンコーコムの独自性が薄れているように感じる」との声も出ている。

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